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白銀少女戦記 〜醜悪と華麗の境界に、唱う偶像達〜  作者: 結城斎太郎
~誘い月、赤く燃える太陽~

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◈◉【第百帖】◉◈ 莢豌豆

上の階層で向かう時にそんな話をしていた。ゆっくり階段を登っていったから、あれだけの話をしていたけど、ようやく着いたってところ。


上の階層では2人が待っている……ということは無かった。


一つの大きな部屋がそこにはあって、畳が敷いてある以外は特に何も無かった。畳は置いてある物に数えないとしたら、本当に何もない空間だった。


窓も無いし、あるのは反対側にも私達の居る出入り口があるだけだった。一応は部屋の前に通路があって、階段とエレベーターから歩いてこれるだけの細い通路………


どんどん殺風景になっていくのは何でなんだろ?これはこれで逆にキナ臭いな。



(第一、綾音さんと優姉ちゃんの姿が見当たらない………どこに居るんだ?気配を消しているのだろうか?)



あの2人、気配を消すのだけは本当に上手いんだよな。最前線組レベルの感知スキルを持ってしても居場所が分からない。かくれんぼやったら最強なんだろうな。



「あれ?姉さんと優香は?」


「……………?……………ッ!?」


「どうしたの?ちぃねぇ?」


「て、天井…………」


「天井が………えっ!?な、なんで………!?」


「えっ…………………?」



私達3人は天井を見て唖然とした。


探していた綾音さんと優姉ちゃんが天井に張り付いていたのだから。ゴキブリみたいに背中を私達に向けて張り付いている。


特に体を支えるものも無い、平らな天井に2人は何故か張り付いている。綺麗に2人並んで張り付いている。


よくよく見たら、手のあたりに魔術が発動されていた。そして、その指が天井に食い込んでいた。食い込ませている……っていった方が正しいか。


えっ?なに?こんなところで新手の筋トレ編み出してんの?夢の中で筋トレしたって意味がないのに。若干プルプル震えている時点で結構キツいんだろうな。


そもそも、どういう意図を持って天井に張り付いているんだろうか?



「なにしてんの?2人とも……」


「ちょっ、綾音さん………おりていい?」


「降りよっか」



何事もなかったような感じで私達の目の前に降り立つ2人。


私があらためて「なにしてん?」と聞くと、2人からの答えは「驚かせようかなって思ったら……思ったよりもしんどかった」っていう回答をいただきました。


敵陣で何を遊んでんだってなるけど。そんな馬鹿みたいなことをやっているほど、暇じゃないはずだよね?



「敵居る気配無かったから、やってみたんだけどさ。意外とキツかったんだよ」


「知らないですよ」


「綾音さんがやろうって言ったからだよ………」


「ノリノリだったじゃん」


「でも、あんな無防備な状態でしんどくなるまでやってても何ともなってないことは……ここにも誰も居ないっていう感じなのかな?」


「そう考えるのが妥当なのかも。姉さん、はっちゃけ過ぎ」


「……………次の階層、向かおう」


「逃げやがった」


「逃げやがった」


「逃げやがった」


「逃げやがった」


「いや、優香。お前も同罪だからな?」


「……………次の階層、向かおうか?」


「お前もかよ」

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