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白銀少女戦記 〜醜悪と華麗の境界に、唱う偶像達〜  作者: 結城斎太郎
~誘い月、赤く燃える太陽~

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◈◉【第九十九帖】◉◈ I・ZA・NA・I・ZU・KI

ここの階層には特に何も無しという判断で、近くの階段から上へと行くことにした。エレベーターだと密室になるから、余計なことされたら危ないからね。


……って思って私が話したら、シャゼラさんとちぃねぇは「そうだね」って言ったんだけど、綾音さんと優姉ちゃんは「その方が敵がすぐ見つかるよね?」とか言い始めて、普通にエレベーターに乗っていった。


それはそうなのかもしれないし、この2人なら何かあっても大丈夫なのは分かるんだけど………ちょっとは体よりも先に頭を使うっていうことはしないの?って言いたい。


言っても聞かない2人だから言わないよ。もう、絶対に「私達2人だけなら文句無いでしょ?」とか言ってくるのが明らかだから。


勝手にさせておく。移動するだけでアレらを説得させる時間が無駄。



「あの2人、本当に戦闘狂だよね」


「いつものことじゃん」


「昔から、いつものことだからね」


「はぁ………自由すぎんだよな、あの2人は。特に綾音さん」


「姉さんはラリってるから放っておいていいと思う。放っておいたところで別に何ともなんないでしょって思ってるから。ただ、返り血を浴びて帰ってくるっていうだけで」


「死なないに越したことはないけど、返り血浴びてくるのはどうなのかな?っていうのはある」


「昔からだから。第三次世界大戦の時とか、クエストの時とかでソロで戦闘して返り血浴びて帰ってこなかったときの方が珍しい。制服とか取り替えすぎて怒られたくらいだから。高校の時とか「お前、これで何着目だよ」って柊さんにキレられて、「知らねぇよ。いちいち数えてねぇから」って逆ギレしたこともあったみたいだし」


「ただのヤベェ奴じゃん」


「だから、結婚できなかったのか」


「いや、しようと思えばいくらでも出来ていたような感じだったから。本人がしたくないって言ってるんだから、美紅さんもそこら辺は放っておいてたし。不倫とかに絡まなければ放置って感じ」


「馬鹿だよね、マジで」


「柊さんの口からお前って言わせたの、綾音さんが初めてとか………そんな感じがする」


「みたいだよ?柊さんが唯一「お前」っていう相手が姉さんだけらしいし。でも、なんだかんだで制服変えてくれって言われたら、ちゃんと変えてあげてたからね。年間で100着くらい取り替えてたもん」


「やっぱアホやん。綾音さん」


「綾音さんのことだから「経費で落ちんだろ。それに、金溜め込んでるんだから、それだけでケチケチすんなよ」って文句言ってるし」


「それを言えるメンタルがあるのに、なんで割とメンタル弱いところとかもあるんだろう」


「強いところと弱いところがハッキリし過ぎてるよね」


「それが松岡家だから。どっちにも転ぶっていう変な人間が集まってる。見事に遺伝していってるし」


「要らない遺伝子だよ。それ」


「けど、シャゼラさんとちぃねぇも他人のことは言えないような………」


「あそこまでじゃないと思う」


「私も」


「ちぃねぇはともかく、シャゼラさんは割と昔は………って感じが」


「今は年も年だからね。流石に落ち着いているよ。姉さんだって凄い落ち着いた方だよ」


「あれでですか?」


「アレで」



どうしようもねぇな、あの人も。

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