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白銀少女戦記 〜醜悪と華麗の境界に、唱う偶像達〜  作者: 結城斎太郎
~誘い月、赤く燃える太陽~

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◈◉【第八十九帖】◉◈

なんて話しているけど、何にも情報が無い相手に不意打ちで仕掛けられたにも関わらず、平然と始末していること自体がおかしいんだが。


綾音さん、何か緑色の体液?かなんかを浴びて全身がビチャビチャになっている。腕に付いている緑色の液体の臭いを嗅いで「ちょっと臭いな」とか文句を言っている。


どういう殺し方をしたら、そんな相手の体液を浴びるというようなことになるのだろうか。よほどの惨殺の仕方をしたとしか考えられないんですが?


即死に至らしめるための致命傷を与えるためとは言え、そこまでになるまで徹底的な殺戮行為を行わなくても………って思う。


やっぱ、年齢を重ねても積み重ねてきた経験による基本的な戦い方っていうのは変わらないみたいだね。



「優香、ちょっと魔術で洗ってくれない?これ、本当に臭いんだけど。なんか………玉ねぎが腐ったような臭いがする」


「どんな臭いだよ」


「青臭いものが腐った臭い………」


「どんなのと戦ったら、そんな体液を浴びるようなことになるんだよ。あっ、ホントだ。臭っ……!!えっ……!?本当に臭いんだけど………!!」


「いや、離れられたら困るんだけど」


「姉さん、なんでそんなに緑色に……………あっ、臭っ」


「綾音さん、なんでそんなに臭いんですか?その緑色、何をどうしたらそんな風になるんですか?」


「私も………よく分かってない。とりあえず、目の前のヤツを殺したらこうなった」


「戦っていた時の記憶が飛んでいるとか怖すぎだわ。どんだけ感情的になっていたんですか。感情的になっていないのに記憶飛んでるってなったら余計に心配ですけども?」


「感情的になってないから………うん」


「ただのサイコパスじゃないですか。マジで」


「しょうがないじゃん。見た目がキモかったっていうのもあるし。手足の生えたスライムみたいのに、デケェ口があって、そこから牙が剥き出しになってんだもん。そんなの見させられて何とも思わんヤツ居らんやろ。ああいう見た目がグロテスクなのは本当に無理なんだけど。ああいうのが本当に多いから嫌だったのに………」


「姉さん、1回目の天守閣に奇襲掛けた時に、内臓がデロンデロンに溶けて口とかから垂れ流している人体模型みたいのと戦ってから、割とトラウマ気味みたいになってるみたい」


「なんで急に、そこだけ乙女を出してくるんですか。今は見た目の年齢が高校生になっているから良いものの、実年齢を考えたら相当イタいオバサンですよ」


「いや、多分、体が年取ってくるとそういうのに反応しなくなってくるんだわ。多分、今は体だけは思春期だから、そういうのにも過敏になっちゃってるのかも」


「そんなことあります?」


「実際に起こってるんだから。私に説明を求めても何にも答えられないけど?」


「とりあえず、もう一度早めに天守閣を攻めないとじゃないですか?こんなところで時間食っている場合じゃないと思いますが………?」


「祐もそう言ってるんだから。綾音さん、ちゃんとしてよね」


「だいぶ小生意気に育ったね、優香」


「アンタの影響だわ」

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