◈◉【第六十七帖】◉◈
……………この2人の、こういうところには何も突っ込まない方が良いみたい。凄い突っ込みたくなるし、意識したところで無意識に突っ込んじゃうかもだけど。
2人がポーカーの手札を眺めながらお互いの顔をチラッと見て、ニヤニヤしている。コイツ等、気持ち悪いな。何をしてんだよ。ポーカーフェイスっていう概念が無さすぎだろ。
ポーカーやっててニヤニヤしてるとか、ポーカーの醍醐味でもある心理戦というのが無くなっちゃってるよ。
完全にどっか行っちゃっているよ。ポーカーフェイスという単語がサヨナラホームランしちゃっていますよ。
「これは勝ったな」
「いや、私もこれは確定ですよ」
「あれ?ジョーカー2枚だよね?」
「うん。2枚入れてる。開けてそのまま使ってるから。予備の真っ白以外は全部入れてる」
「……………………じゃあ、これは貰いましたね」
「ちょっと、優姉ちゃん。手札見ていい?」
「うん」
「お前もか」
「うん」
「うん、じゃねぇんだよ」
優姉ちゃんの手札は9とジャックのツーペアにジョーカーがあるから、フルハウスっていうことになる。
確かに、これはなかなかに強い手札だね。
ちぃねぇの方も見せてもらった。コイツも「うん」って一言だけ言って見せてくれた。
私はポーカーフェイスは心得ているから、何にもリアクションしないように意識していたけど、ついつい笑ってしまうような手札だった。
ちぃねぇもフルハウスだった。
しかも、優姉ちゃんと同じように9とジャックのツーペアの中にジョーカーがあるという状態。
なんで2回連続で同じ手札になってるんだよって思って、流石に笑ってしまった。これで何にもリアクションするなって方が無理だわ。
笑っている私を不思議そうに見ている2人。こっちからすれば、お前らの方が不思議だわ!!って言いたいところだが……突っ込むのも面倒臭いので何も言わないことにした。
「なんで笑ってるの?」
「さぁ?」
「ちぃねぇ……千春の手札見て笑ったっていうことは………どういうことでしょうか?」
「知らないのに喋んなよ」
「じゃあ、手札オープン!!テイッ!!」
「はいっ」
「「えっ…………!?うえっ!?」」
「そうなるだろうね?ハモってるのは、意味は分からんけど」
「えっ………どっちもフルハウスじゃん。どっちの方が数とか上……って、そっちも同じか………えっ?なんで?」
「なんで?」
「祐、こういう場合ってどっちの形なの?」
「スペードが一番強かった気がするけど………どっちもグチャグチャじゃん」
ちぃねぇが、スペードとハートの9、クローバーとダイヤのジャック、ジョーカーのフルハウス。
優姉ちゃんが、クローバーとダイヤの9、スペードとハートのジャック、ジョーカーのフルハウス。
ここまでグチャグチャだと、そこまでトランプゲームに詳しくない私では判断は出来なかった。そもそも、こういうことになるのが天文学的な確率なわけであって。
フルハウスが丸被りって見たことないから。
「これ………ドローでいいんじゃない?」
「ドローか」
「ありゃりゃ、引き分けか。その方が面倒臭いないから良いか」
「そうだね」
怖いんですけど。シンクロ率高すぎて。




