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白銀少女戦記 〜醜悪と華麗の境界に、唱う偶像達〜  作者: 結城斎太郎
~誘い月、赤く燃える太陽~

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◈◉【第五十四帖】◉◈

「優香、思ってても言わない。声デカいし」


「あぁ……すまんすまん。つい」


「つい、じゃないよ」


「一応はそういうのは建前としてやらないということでして……」


「いやいや、この馬鹿が勝手に言ってるだけなんで。この個室だけでも十分に優遇してくださってるのは伝わるので」


「いいなー」


「お前、七畳程度のワンルームの部屋ですらスペース余るくらいの生活してるのに、無駄にスペースだけ欲しがったって意味ないじゃん」


「そうだけどさ~、広い部屋って憧れない?」


「だったら自分でマンション買うなりすればいいじゃん。金なら腐るほどあるだろうが」


「それな」


「それな、じゃねぇよ。あっ、すみません。部屋のご提供、ありがとうございます。私達はこれで大丈夫なので」


「かしこまりました」


「すみません。ありがとうございます。余計なことを言ってしまいまして……すこしばかり、気分が上がってしまいまして。なかなか、こういう綺麗なところに滞在できるということがなかったものでして」



コイツ、切り替えが………


多重人格なんじゃねぇの?こんなにパパッと人が変わったようになるの………流石にちょっと気持ちが悪いんだけど。


しかも、意外と女の人の反応を伺いながら発言していた。この人自身のクレームにはならないように気を遣っていたっぽい。


………だったら、最初から余計なこというんじゃねぇよって話なんだけど。



「いえいえ、そんなお世辞を……」


「お世辞は言わない主義なので」


「言えないだけだろ」


「その方がポイント高いじゃん」


「それもそっか」


「ありがとうございます。では、これにて。失礼いたします。何かございましたら、いつでも対応いたしますので、何なりとお申し付けくださいませ」


「ありがとうございます」



最初からそれで行こうっていう気にならなかったのかな?普段はお店の人とかには絶対に変なことをしないのに。

アヌンナキだから異世界だからってどうでもいいっていう考え方をしない人間だから。たまたま、気分的にそうなっちゃったのかな?


人間だし……気分によって言動が左右されるのなんて当たり前だよ。優香に関しては、それを誰よりも抑え込んでいるタイプの人間だもんね。


色々あってストレス抱えちゃっての事なのかもしれない。


そこまで抱えるくらいなら……出しちゃっても良いと思う。

私が高校の時とかに病んでて何もする気力もなくなっちゃって……どうしようとなくなっていた時に、優香が「我慢しないで出しちゃった方がいいよ」って言ってくれて、それで凄い気が楽になった。


それ以外にも側に居てくれたり話を聞いてくれたり………


けど、祐佳の場合は自分がそうなったとしても私に迷惑を掛けたくないからって理由で、どんだけ辛かろうが私には弱音を吐かない。

一切吐かないっていうことは無いんだけど……私が何かしたくなっちゃうようなことは無かった。


後々聞いて知るっていうことばかりだった。



(私じゃ頼りないとかじゃなくて……本当に私に、自分のことで負担を掛けたくないんだなって……)



別に、そんなの、要らない気遣いなのにさ。

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