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白銀少女戦記 〜醜悪と華麗の境界に、唱う偶像達〜  作者: 結城斎太郎
~誘い月、赤く燃える太陽~

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◈◉【第五十二帖】◉◈

「優香も行くよ~」


「へいっ、芽郁さん。キー、パスパス~」


「思い切り投げ付けてやろうか?」


「鍵壊れません?」


「あっ、そうか。キーホルダーが駄目になりそうだから辞めるわ。はいっ」


「サンキューでぇす!!………痛かった……」



優香も投げられた鍵をキャッチして手を痛めたみたいです。


ちっちゃい声で「痛かったよ……」って言ってるのが面白い。そんな優香を連れて部屋へと向かった。場所の方はご飯食べている時に私が予め聞いておいたから大丈夫。それは優香に伝えておいた。


たまたま、部屋の場所の確認をしていた時に優香はトイレ行っていたから。長かったから多分ウンコしていたんだと思う。その後に外にある喫煙所にタバコ吸いにいってた。


なんか、知らない人と普通に笑いながら話ししとったし。優香のそういうところは見習いたいよね。優香から話し掛けるっていうことは殆ど無いだろうから、向こうから話し掛けられて普通に話しているっていう感じだったのかな?って。


私とか、喫煙所とかで1人で居る時に声掛けられると話せないもん。

「あっ………」って言葉に詰まるし、何を喋ったらいいのかも分からないし。けど、何か言わなきゃってなっても、何にも言葉が出てこないから。


大体は向こうから「急に声掛けてごめんね~」ってなるのは救い。話し掛けてくるのも男の人が殆どだから、「急に男から声掛けられたら焦るよね」っていうことで何事もなく終わる。


私が男だったら……こんな優しい対応はされていないんだろうなっていうのは思った。こういう時は自分の性別に救われたなって思う。



「……………ありゃ?」


「どうした?千春」


「……………道、分かんなくなっちゃったかも」


「私が分かるから大丈夫。私の横とか後ろにくっついてれば?」


「ごめん………」


「そんな謝るようなことじゃないでしょ。初めて来る場所で、場所を説明されて一発いける方が珍しいよ」


「優香はいけるんじゃないの?」


「たまたまだよ。散歩したいっていうのは道とか把握したいっていうのがあったからさ。出来ることなら少しでも早くアヌンナキの地理を覚えたかったから」


「あー、そのための散歩だったんだ」


「やっぱ夜だと周りがよく見えないから」


「意外とそういうこと考えてるんだね」


「千春よりも色々と考えて生きている自信はありますがな」


「私だって色々考えて生きてるわ!!」


「ギリギリでいつも生きていたいんじゃないの?」


「何を言ってるんだよ」


「自分でもよくわかんない」


「だったら余計なこと喋んなよ」


「着いたよ。ここでしょ?ホテルみたいなとこって言っていたし」


「えっ?ここ……?ホテルっていうか、普通に民宿って感じだね」


「まぁ、この世界じゃこれがホテルなんでしょ。しかも、説明している時も芽郁さん酔っ払ってるんだろうから」


「酔っ払いから道なんて聞くもんじゃないね」


「酔っ払いには何にも絡まないのが一番。何かやらかした半殺しにするくらいのつもりで付き合わないとやってられないよ」

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