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白銀少女戦記 〜醜悪と華麗の境界に、唱う偶像達〜  作者: 結城斎太郎
~誘い月、赤く燃える太陽~

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◈◉【第四十八帖】◉◈

でも、喜んでいるから良いのかな……?どっち目的のサインなのかがイマイチ分からないけど。


最前線組のファンとしてなのか……いや、最前線組は別に芸能人じゃないからファンクラブとか出来たところで困るんだけどね。


話を聞くと、この子はどうやらクエストバーサーカーに強い憧れがあるみたいだね。あんなんに憧れる理由なんて、当事者からすれば何一つとして無いんだけどね。


でも、そういうダークな部分を知らない人からすれば、クエストバーサーカー……特に最前線組に居る人間っていうのは本当に憧れなのかもしれない。


あんなにも制約があって、制約を破った段階でも自分の命が危なくなる。ただでさえ、それを抜きにしても意味不明なところへ派遣されては乱闘乱闘だから。


こんなクソみたいな立場、最初はママの背中も追いかけていたっていうこともあって目指して……結果としては最前線組に加入という形になっても、1年経たないうちに嫌になったよね。


半年くらいで「そうか、総督府って意外とクソみたいな組織なんだな」っていうのを散々目の当たりにしてきた。


「いつ辞めようかな」っていうのは優香が入ってきたタイミングって思ったね。優香が総督府の闇の一番の被害者だったから。


だからこそ、私は絶対になった方がいい!!なんて言えないしね。

サインを求めてきた子は初めてだったけど……最前線組に入りたい!!って来た私よりも何歳も年下の子が何人も戦場で命を落としてきた。


総督府の方は当たり前のように死んだ子達の籍の抹消を行う。

葬式なんて行うわけもない。死体が残っていれば遺族に通知と死体の搬送をして「葬式やりたきゃ勝手にやりな」っていうスタンスだから。

仕事が仕事だから、そういうことになってしまうのは仕方のないことだっていうのは分かっている。頭では理解していても、心の中ではやっぱり理解できない、納得できないところでしかない。


優香は私以上に……そういうのを見てきたはずだから。

死んだ顔をして、中学生になったばかりの男と……その男の子の姉である高校生の女の子の2人の死体を抱えて総督府に帰ってきた時のことは鮮明に覚えている。


全身にその子達の血を付けながらね……その後も優香は泣きながら「私が……守りきれなかったから……!!」って言って……


優香だって、その時は高校生になったばかりの時だった。思春期の女の子が体験する経験には、いくらなんでも重すぎたんだよ。


優香が元から過去に色々とあったからトラウマにならなかっただけというのもある。普通の人間なら、そんな光景を目の前にしたら……誰だって総督府なんて抜けてるよ。


それを何年も我慢して………ようやく脱退という形を取れたんだ。あのクソみたいな組織から自由になることが出来たんだ。



「千春さん……?」


「もしかして、将来は………総督府に入りたいとか、ですか?」


「はい!!シャゼラさん……千春さんと同じようにクエストバーサーカーとして……出来ることなら、最前線組に加入して頑張りたいです!!」


「そう、ですか………」


「あっ、店主さん。この子に飲み物出してくれませんかね?うちらの奢りってことで」


「分かりました!!」


「ちょっ、勝手に………」


「おい……テメェ、空気も読めねぇのか……?」


「……………すみませんでした」


「嬢ちゃん、コーラで良いかな?」


「あっ、はい!!お願いいたします!!」


「席に座って待っててください。わざわざ、ありがとうございます」


「いえいえ、こちらこそ!!」



優香………ごめんね。迷惑掛けちゃって。


ただ、あの子にはバレなかったけど……横で芽郁さんに圧掛けまくってたの、私にはバレバレだからね?

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