◈◉【第四十二帖】◉◈
優香の楓組総当たり戦という形での実戦演習ね。これ、優香が勝ったっていつのも……ギリギリ勝ったっていう話でもないのがね。
優香の圧勝だったからね。
現役じゃない5人だとしても、元々第三次世界大戦の時と比べて殆ど変わらない戦力のはずなのに……それを同時に相手してるんだから。
しかも、連携も当時よりも遥かに取れているわけだから。そんな中でも優香は全員を殺すというかたちで圧勝しているわけだから……
勿論、実際に殺したってことにはなってないけどね。MR空間内での出来事っていうこともあるから。ただ、圧倒的な実力差を見せつけられたっていうのは……5人にとっては衝撃的だっただろうね。
総督府側としても隠蔽したいことなのは間違いない。綾音さんとシャゼラさんは「公表しろ」って騒いでいたみたいだけど………非公表を優香本人からの申し出があったっていうことで、優香本人にも「本当なの?」って聞いたらしい。
さっきの演習のことは無かったことにしてほしい……って一言だけ言って情報はごく一部の人間しか伝わらなかったみたい。
そもそも、総督府に所属しないで独学でスキルやら魔術を高いレベルで習得しているのが恐ろしいし。入ってからも数年は実力を抑えての、今に至るわけだから。
そういえば、優香が使える異能力ってまだ言ってないんだっけ?スキルの方は衝スキル、雷スキル、氷スキルまでも扱える。
私は星スキルの一つしか扱えていないのに……このメガネは3種類のスキルを扱える。衝スキルに関しては殆ど使っていない。
魔術の方は皇血術式、幻魔術、FGOox-01211王家の古式魔術、ヴァルドヘイムの秘術やら金術やら……医療魔術や基礎的な魔術までも一通り使える。
多分、遁術とか神術………そもそも、先天的な要因によるものでしか習得できないもの以外は全部使えるんじゃないのかな?
神術に関しては………あくまで一つの異能力を極めた者が扱え、その一つの異能力しか持っていないものの行き着く先っていうのが仮説になっているだけで、確定っていうわけじゃない。
優香なら何かの拍子に使えたりしそうなものだけど。
「あの楓を………凄いですね。それは」
「あれでも抑えている方だと思いますよ。下手すれば、優香が本気出せばアヌンナキごとが世界消し飛ばすこともできますよ」
「流石にそこまで自信ないよ………やろうとも思わないし。ただ、ヴァルドヘイムなら頑張ればいけそうな気がしなくもないけど。総督府なら余裕で潰せる」
まぁ、優香ならいけるよね。
だから安心して優香についていける。
「聞きましたよ。総督府を脱退したんですって?」
「はい。総督府の方向性と私達が向かう先の方向性というものが噛み合わなかったものでして。それと、母親とも馬が合わなかったっていうのも大きいですが………」
「なかなか、根深い事情があるみたいですね」
「あっ、チーズフォンデュ無くなっちゃった。すみませーん。具材追加でもいいですか?優香、1人で食べ過ぎだよ。私、肉ちょっとしか食べてないじゃんか」
「ケチケチすんなよ。芽郁さんの奢りだし」
「それもそっか」
「量いかれると流石に財布の方が不安なんだけど?」




