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白銀少女戦記 〜醜悪と華麗の境界に、唱う偶像達〜  作者: 結城斎太郎
~誘い月、赤く燃える太陽~

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◈◉【第三十六帖】◉◈

「私達を止められる術を持っているわけないのに、よくもそんなことを言えたもんですねぇ?」


「優香、そこまでしよう。こんな人間達と話している時間が勿体無い。さっさと終わりにしよう」


「…………赤城優香、鷹山千春、手越祐佳。以上の3名は総督府最前線組からの脱退に同意するか?否か?ここに示せ」


「「「同意する」」」


「…………………………終わったよ」


「………………じゃあな」


「優香………」


「私達も行こう。こんな悪い空気、いつまでも吸いたくない」


「わかった………では、今までありがとうございました。失礼します」



一応は最後の挨拶だけはしておいた。優香は本当に機嫌が悪くなって、捨て台詞を一言だけ言って応接室から出ていって、優香もそれに続いた。私一人だけでも挨拶だけはしておこうと思って。


柊さんは「今までありがとう」と淡々と謝礼を述べて、結憂さんに関しては何も喋らずに険しい顔をしながら床を睨み付けていた。


結憂さん……もう少し、もう少しだけでも、優香に寄り添ってあげることが出来れば………ここまでのことにはならなかったかもしれないのに。


なんで、こういう親って自分が全部正しいとか、自分の考えこそが絶対的な正義って勘違いしちゃうんだろうね?


なんで自分の考えを変に曲げないんだろうって凄い疑問に思ってしまう。そんなことをしたって未来なんて絶対に良い方向に向かうわけがないのに。


そんな簡単なこと、最前線組に居た結憂さんなら分かるはずなのに………喉元過ぎれば熱さを忘れるって言っても、その過程で築き上げてきた価値観を優香に押し付けてきた結果がこれなんだよ……



私達は外の喫煙所に向かい、心を落ち着かせるためには一服することにした。私も神経を使ったので、IQOSが物足りないなって思い、優香からラッキーストライクを1本貰った。


優香が火を付けた後にライターを借りて私を火を付けて一吸いした後に、空を見上げた。



「ふぅぅぅ……………今日で、ここの喫煙所ともおさらば、かな………?」


「喫煙所なんていくらでもあるでしょ。私の最寄り駅にすら普通に灰皿置いてあるし。コンビニの前にだってあるんだから。大学にも喫煙ブースあるくらいだし」


「いや、なんかさ………思い出っていうかさ」


「………あぁ、そっちね。まぁ、私も何とも思わないって言ったら、嘘になるし。寂しい気持ちが全く無いわけじゃないから。なんだかんだで総督府に居たから、じいちゃんやら綾音さん……芽郁さん達に協力してもらえることになったっていうことになったし。なんだかんだで他のクエストバーサーカーの人達と話すのと愉しかったって言うのもあるしさ」


「優香、結構なムードメーカーな感じだったもんね」


「それが無くなるのは………ちょっと、名残惜しいかなっていうくらいかな?昨日も私が総督府から脱退って情報が総督府全体に裏で流れたタイミングで、色々な人からLINEとかでも「本当に辞めちゃうの?」って言われたから。「赤城ちゃんの討伐命令、絶対に従わないから。母親のことは知ってるから」って言われてさ……昨日、部屋で一人で泣いちゃったよ」



優香って、結構総督府を大事にしていたんだね。そんな心情であんなに結憂さんと柊さんの前では気丈に振る舞っていたんだから。


私達以上に心がしんどかったはず。怖がっていた私が馬鹿みたいだ。

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