◈◉【第二十五帖】◉◈
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「千春、ごめんね。こんな時間帯に呼び出しちゃって」
「いや、いいっす。暇だったんで。本当に優香にだけはバレないようにしてくださいね。バレたら本気で殺しにいきますから」
「なんかちょっとペナルティのレベルが上がってない………?」
「ゴチャゴチャ喋ってないで。どこにいるんすか?あの2人のクローンは新興勢力の方に完全に取り込まれているので、私を見掛けたらすぐに殺しに掛かるとは思いますが?」
「街の方……かな?うん。街の方に2人のクローンの気配がする」
「分かりました。行ってきます」
「あっ……ちょっ………」
アヌンナキの、芽郁さんのところに向かったら………芽郁さん、ちゃんと色々と教えてくれないんだけど。来てすぐにサクッと必要なことだけ教えてくれればいいのに、わざわざ無駄に時間を使うようなやり取りをしようとするんだから。
LINEでは私も余計なことを言っちゃっていたから私も悪いとしても、こうやって行動を始めた以上は常に早い判断とかをしてもらわないと困るんだよ。
芽郁さんのところから転移して街の広場に向かった。
辺りは人気がなくてゴーストタウンのようになっていた。芽郁さんが避難勧告を出したってところだろうか。そういうところだけはちゃんとやってくれるみたいだね。
(気配が、強いな……)
ここら辺に居るのは間違いない。
私の出方を伺っているんだろうか?私達にクローンの気配が読まれていることは新興勢力の方も承知の上だろうから。
その上で私から仕掛けさせてカウンターでも狙う気か。私は1人だけど、向こうは2人居る。どっちか片方に意識が向けば、もう一方がフリーになる。一方と交戦している隙に私の不意を突くっていう感じなのかな?
そんな初歩的な戦法をしてくるのは考えにくいけど……そもそも、こっちは2人が相手っていうことを分かって来ているんだから。
相手が相手とは言っても、そう簡単に隙は作らないよ。伊達に小学生の頃から最前線組で活動していないからさ。
私は刀を構えて辺りを警戒する。どこからでも掛かってこい………!!
「………………………ッ!!」
目の前に現れたのは希世乃さんのクローン。お馴染みの黒のパワードスーツを私服の下にインナー代わりに身に付けているようで。
我が物顔で付けているけど、あれって祐の……異界貴族九刃のヤツがオリジナルなんだよね。
「希世乃さん、弟の方はどうしたんすか?」
「来ているけど?」
「それは知ってるんですけど。さっきから気配がプンプンしてるすよねぇ~。私も早く帰りたいんで、2人同時で来てくれた方が助かりますし。そもそも、1人1人が掛かったところで私に勝てるって思い上がってるんですか~?」
「…………………美紅」
「お呼びなすった?」
(この2人も……綾音さんのクローンと同じ様に、本人の人格が強く反映されているタイプのクローンか)
「私2人を相手にしたいんだってさ」
「別に良いんじゃない?」
「水遁・激流翼撃!!」




