re.cord {two-hundred-five}
「メイサさん、さっきの人達に謝りたいんですけど。事情が分からなかったのは……こっちも同じみたいだったので」
「お気になさらず。仕掛けてたのはこちら側の人間なので。事情があるというのを免罪符にしたくはないので。優香さん達が現に事情があるということは自ら免罪符にするという意思が無いのに、こちら側だけが許されるというのは可笑しな話ですから」
「それはそうですけどね。あそこまで言ってしまったので。必要以上に追い込んでしまったのではないかと思いまして………」
「気にしなくて良いです。同情するだけ無駄ってものです」
「は、はぁ………」
あの優香が言葉で押し負けているだとぅ………!?
なんか、言葉の選び片と唯我独尊なところは似ている2人だな。そこだけは似ているって感じ。その2点しか共通点が無いのに似ているっていう印象が強く植え付けられるって……やっぱ、我の強さと個性の強さは比例するのかな?
………そんなことないか。ただの自己中ってならないようにするのが難しいんだから。それは個性とは違うからね。自己中になってしまったら、傍迷惑なだけ。
そういう馬鹿共は訳が違うのが、この2人ってところか。私と祐は……どうなんだろうね?
優香は少し困っている様子だから、私が代わりにメイサさんと話すことになった。
「メイサさん。ここもだいぶボロボロになっていますね。この荒れ具合も総督府の奴等が原因ですか?」
「そうですね……シスターの誘拐だけでなく、器物破損まで行うなんて……って思いましたが。ただ、そこまで名のあるクエストバーサーカーでは無かったので、恐らくは……実力に関しては低レベルの猿共と言ったところでしょうか?」
「そ、そうなんですね………」
結構メイサさんもイライラしているみたいだな。そりゃ自分の同僚が目の前で何人も誘拐されて、しかも御神体でもある女神像までも無惨に破壊されている。
おそらく、なけなしの経費も持っていかれたっていう可能性もあるね。
昔は、そういう強盗行為は楓組が誅殺していたから治安は保たれていたけど……今はそれが無くなってしまった。
状況が状況ということもあって、結憂さん達はそういうところを見て見ぬふりをしている現状。
ここ十数年で一気に腐りきったみたいだね……結憂さんが戦犯と言っても過言じゃないし、本人もそこは肯定もしなければ否定もしないだろう。
優香がそうやって憎しみ全開なのも分かる気がする。ここまで好き放題、自分の近い場所で暴れ回られていたらね。
(まさか、猿共っていう言葉がメイサさんから飛び出してくるとは思わなかったけどさ)
「皆さん、地下室の方にこれからご案内しようと思います。この場所はあくまで表向きの信仰の場所ということになります。いわゆる、本殿というのは地下になります。一応はこういうことも起きるであろうということはゼロでは無いなと思い、防犯上の理由で地下に本殿を造りました」
「なるほど……だって。優香も祐も大丈夫そ?」
「大丈夫、大丈夫」
「大丈夫だよー」
「少しカビ臭いのと湿度高いのはご容赦ください」
「「「はい、問題有りません」」」




