re.cord {one-hundred-fifty-three}
優香の背中から少し離れたところには、カルテナさんのクローンの死体を担いでいる祐の姿があった。そっか、自分の体のどこかしらに触れていれば死体でも消せるのか……
ただ、流れ落ちた血の跡までは消えないから、何もないところから血が滴り落ちているみたいな感じになるから、それはそれで一般人からしたら恐怖でしかない。
「その死体、どうすんの?」
「カルテナさんは特別だからね。一応は持ち帰っておこうかなって。持ち帰るっていうか、今からアヌンナキの方に送って芽郁に色々と見てもらうから」
「ほうほう」
「クローンとは言え、何かしらの情報はあるでしょ」
「どうだろうね……イテテ……なんか、背中に食い込んだんだけど。いてぇ……」
「ボタンじゃない?エレベーターのボタン壊れてるし」
「あらあら、器物破損だわ」
「それに関しては今更過ぎる」
にしても、ここまで順調過ぎるくらいだな……怖いくらいに上手く進みすぎて怖い。何か罠があるのかと思いたくなるが、楓のクローンまでも繰り出して罠もクソも無いようなものだろう。
向こうの最高戦力と言っても過言ではない存在を出してきているわけだから。
祐はカルテナさんのクローンを転移させると、血だらけの手でスマホをいじり始めた。祐って意外とそういうのは気にしないんだよね。
私と優香なんて手に血がちょっと付いた状態でスマホ触りたくないから。
ある程度落としてから触るようにしている。潔癖まではいかないとしても、流石に他人の血が付いた手で色々なとこ触りたくないじゃん。
「んー、やっぱり……向こうは楓組のクローンが一番の主力かも。まだ綾音さんとか……後は希世乃さん、美紅さんのクローンくらいか。ただ、現時点でここまで圧倒しているんだから、ここまですんなり片付かなくても本気でやれば何てことないな」
「そもそも、総督府乗り込んで母親潰した方が早くね?」
「うんうん。私もそう思った。総督府を潰すなら私もそうするのが一番だと思う」
「ちぃねぇも優姉ちゃんもまだまだだね。こういうのは相手の行動の限界を最大限まで引き出すんだよ。どこから何が出てくるか分からないんだから。相手を追い詰めるところまで追い詰めてから大将を潰す。これがベストなんだよ」
「「へぇー」」
「なんでそんなにやる気無さそうなんだよ」
「そこら辺の計画は祐に任せるわ。今から優香と、ここに残っているリストの奴等を全部片付けてくる」
「それはそれでいいんだけど………だったら、もう少し私の話とか意見も汲み取ってよね?2人とも、自分が自分がっていうのが過ぎるんだよ」
「じゃなかったら最前線組なんてやってられない」
「激しく同意★」
「ちぃねぇまで語尾に★付くような喋り方すんなよ」
「ギリギリでいつも生きている人生なんだから、たまに良いかなって」
「ちぃねぇまでもぶっこむな!!」
「「Ahhhhh!!!!!!」」
「もういいや。早く行ってくれ……私も後から向かうから」
「「テイッ」」
「仲良すぎるだろ、コイツら」




