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白銀少女戦記 〜醜悪と華麗の境界に、唱う偶像達〜  作者: 結城斎太郎
~創世と創星の災禍~

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5421/30541

re.cord {sixty}

「あがっ………!!がふっほっ………!!」


「ぁぁぁぁぁ……………!!けほっ、けほっ………ふぅ……」



衝遁・咆哮大連弾。


自分の声帯に術式を組み込んで、自分の声量と周波数、細かい音域をコントロールして相手の体の内部から破壊していく。音の衝撃波だから細胞単位で相手にダメージを与えることが出来る。


距離によって威力が変動するから、すばやい動きの相手には使えない技だけど、動けなくなった相手にトドメを刺すためなら確実に死に至らせることができる術。


近すぎても遠すぎても効果が無い分、最大威力の範囲に少しでも入れば、どんな術式を纏っていようがそれを貫通する。


後、面倒なのは………声帯への負担が相当なものになるという点かな。

遁術で補正が掛けられるとは言えども、自力の段階でかなりの声量と音圧を出さなくてはいけないというもの。


声量と音圧だけなら誰よりも出る私だからこそ出来るっていうのもある。声量化物と言われているママすらも、シンプルな声量と音圧だけなら私の方が全然上だ。


それに、声帯が異様に強いということも起因している。

風邪をひこうが、毎日何時間という熱唱をしていようが……喉にダメージがいかないほどの強さみたいで。


優香からも「声だけで人間やめてるレベル」って引かれたものだから。


限界まで使ったことないから分からないし、声が枯れたことないから……何回使えるかも分からないし。ただ、万が一潰れたら面倒だから、あまり使わないようにはしている。


こんなんで声出なくなりましたーとか嫌だからさ。一回くらいじゃ何とも無いけど、流石に何回もやっていたら喉壊れそう。ちょっと噎せたし。



「ち、ちくしょ………ぉぉ………」



奈穂は全身のあらゆるところから血を吹き出させながら倒れていった。目や耳だけじゃなくて、おそらく毛穴からも血が溢れ出ていて、衣服と床を真っ赤に染めていた。


そこまで手こずったというわけでもないが、決して弱いとも言えない相手だった。奈穂は奈穂なりに何かしら人生であったのだろう。


そこは同情はしてあげる。でも、共感は出来ない。


他人の家の芝は青く見える………他人と比べてばかりで失ったものばかり数えていると、いつの間にか本当に失いたくないものや、本当にしたいことまでも手から滑り落ちてしまう。


それに奈穂は気づけなかった。それは私と奈穂の力の差だよ。



「優香。これで、終わりかな?」


「今のところはね。それよりも………千春。ついに声で人を殺せるようになったの?しかも、周りを見てみてよ。校舎のガラスのところ、優香のさっきの叫び声で全部粉々になっちゃってるよ」


「えっ………?あっ、本当だ」


「もう少し加減しても良かったんちゃう?」


「加減とか、そんなこと出来たら苦労しないよ。優香みたいに緻密なコントロールできないんだから……」


「私もコントロールできてるわけじゃないよ。たまたま発言している力の部分が制御できる範囲内ってだけで。何かの拍子で暴走でもしたらどうなるか分かったもんじゃないよ~」


「一回暴走させて、そこからコントロールできるようになったら、優香はマジで人間卒業しそう」


「声帯柱間細胞で出来てる奴に言われたくない」


「どういうことやねん」

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