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白銀少女戦記 〜醜悪と華麗の境界に、唱う偶像達〜  作者: 結城斎太郎
~創世と創星の災禍~

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re.cord {fifty-seven}

「ただ、まだ………居るな」


「嘘でしょ………なんなんだよ、マジで」



傷を治して全快した私。優香から敵がさっきの以外にも潜んでいることを聞いて項垂れた。


でも、私のスキルだけでも倒せる程度のものなら……そうでもないのかもしれない。あくまで刺客っていうだけだから、異界貴族九刃までの実力は無いのだろう。



「大体の居場所とか人は掴めているから。多分………千春にとっては、ツラいことかもしれないけど」


「………友達?」


「私も知ってる。バスケ部の2年。私の後輩」


「………!?まさか、奈穂(なお)!?」


「……………そう」



桜田(さくらだ)奈穂。


大学入ってからすぐに仲良くなった友達。ゼミも一緒になっていた……ご飯とか買い物とか、2人で出掛けることもあった。

同学年では一番仲が良かったって言っても、過言じゃなかった存在だった。


多分、私と距離を縮めようとしたのは、私からヴァルドヘイムの情報を得るためだったのだろう。

しかし、私が奈穂のことを完全に戦争に無関係な人間として見ていたから、機密事項を一切話さなかったから。


仲は良かったけど、私も違和感を感じていたから。


女同士の友情なんて、私もそこまで信用しているタイプでも無かったから。

友達が目の前で殺されて、確かにショックだった。それで本気でキレて……さっきの3年の男も何の躊躇も無く殺した。


だけど、今となっては落ち着いているから。その程度って言えばそうなってしまうのだろう。


私は優香以外の人間をちゃんと信用していないみたいだね。自分が思っている以上に。



「奈穂か」


「結構仲良かったんでしょ?無理そうなら私が代わりに……」


「優香にとっても部活の後輩でしょ。自分の人間関係の清算くらいは自分でやるよ。私がなんだかんだで近くに居たんだから」


「千春がそれで良いなら………」


「そうことだよ。ねぇ?奈穂……?近くでコソコソと、私の嗅ぎ回ってさ……他人を平気で裏切るような真似して無事で済むと思うんじゃねぇよ?」


「はいはい、悪かったね。ちぃもちぃで全然何も話してくれないからさ?私の正体はバレてなくても、私そのものを信頼されているわけじゃないんだなーって思って悲しかったんだよ?」


「上っ面の言葉だけはペラペラと出てくるんだな、しょーもない人間だな、異界貴族九刃に関わっている人間ってのは」


「ほぉー?それは手越さん達に対しての文句と捉えてもいいのかな?」


「勝手に言ってろ。お前を殺すことには変わりはねぇ」


「こうやって友情が終わっていくんだね。やっぱり、女同士の友情なんて……滅多なことで成立しないもんだね」


「そこだけは共感してやるよ。クソビッチが」


「あっ?」


「オラッ!!」


「きょ、今日の千春は……いつもの何倍も血の気が多いな………」


「チッ………!!動きが読めない……だてに最前線組に配置されてるわけじゃなさそうだ……」


「こっちだって10年もやってんだよ。お前みたいな雑魚に殺されるほど甘い世界を見てきたわけじゃねぇんだよ!!」

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