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白銀少女戦記 〜醜悪と華麗の境界に、唱う偶像達〜  作者: 結城斎太郎
~創世と創星の災禍~

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re.cord {thirty-four}

「あ…………」


「人質も選べよ………カス野郎」



増田瑞貴の頭がゆっくりと体から離れていき、地面に転がり落ちた。首と同時に切り落とされた長い髪が血溜まりの中に降りかかった。


首が無くなった増田瑞貴の体からは鮮血が飛び散り、そのまま背中から倒れた。



そして、優香が出現させた椿の木も音を立てながら消えていった。返り血を浴びた優香が座って震えて動けなくなっている私のところに駆け寄った。


私、生きてるんだ……


また、優香に助けてもらっちゃったんだ。



「千春!!大丈夫!?」


「あっ………うん………なんとか、ね」



いつもの優しい、私を心配する千春の顔に戻っていた。さっきまでの殺人鬼と同じ人物とは到底思えない……優しくて、目には涙を浮かべた綺麗な表情だ。



「良かった……本当に……」


「ごめんね………また、助けられちゃって………」


「千春に怪我が無いなら……全然大丈夫だよ」


「でも、優香………右の肩に………」


「あっ、いつの間に。まぁ、これくらいじゃ死なないよ。私のタフさは遺伝だからさ」


「とは言っても……」


「良いって、良いって」


「私が治してあげる」


「あっ……うん……ありがとう」



私は医療魔術を使って優香の怪我を治した。これくらいしないと、本当に私は優香にとってお荷物になっちゃう。これだけでも全然足りないくらいだ。


あれだけの実力者を相手取って、私を人質に取られたのに、たったこれだけの傷で勝ってしまったこと。私のことも、また無傷で助けてくれたこと。


優香は本当に強いんだな。



「ふぅ~、私がちょっと油断しなければ千春にあんな目に遭わせることも無かったのにな…」


「そんな優香が気に病むことじゃないから。私がしっかりしていれば良かっただけのことだから」


「別に千春が弱かったからじゃない。千春だって十分に強いよ。普通に強すぎるくらいだから。じいちゃんやお母さんよりもずっと強いよ。なんなら、シャゼラさんよりも遥かに強い」


「そんなこと………」


「相手が悪かった。それだけのこと。実力が未知数な相手で、場所も相手に有利の場所だし。私だって最初から勝てること前提って挑んじゃいないよ。勝つ気では居てもね」


「でも、優香ばっかりに無茶させちゃって………」


「無茶は承知。これくらいの傷で済んでるんなら、全然無茶のうちに入らないよ。こちらにとって未知数の相手には、相手にとっても未知数な相手をぶつける。目には目を、歯には歯をってところだよ」


「優香………」


「さてさて、帰りますか。死体の処理だけして報告だけしておけばいいか。証拠は……こんだけの有り様なら写真取っておけばいいか」


「う、うん………」


「色々と言われるかもしれないな……ちょっと感情的になりすぎて、さっきの力使っちゃったんだけど……アレ、他の一般人とかの生命力を自分の力に還元してやったことだから。多分、大通りの方でめちゃくちゃ人が死んでる」


「あっ…………」


「まっ、知らなかったことにしよう。どーせ、こんなところじゃバレないって……多分」


「えぇ……多分って」

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