ASCENSION【《|| 伍拾伍 ||》】
「チッ………お前さえ余計なことを言わなきゃ惑わされることもなかった………妹も……彩羽も死ぬことはなかったんだよ!!」
「知らねぇよ、そんなん」
「えっ?闘上仙の鶴ケ島彩羽ってあの人の妹だったんですか?義妹とかですか?」
「いや、実妹。父親違いの」
えっ、シャゼラさん。今それを聞く必要あるかな?
いつでもどこでも天然を発動させるシャゼラさんにはドン引きの言葉以外に思い付かないな。
「あの、河端さん。何をそんなにキレてるのは知らないですけど………とりあえず私達を殺したいというのは分かりました。だったらさっさと戦いましょう」
「赤城結憂………!!随分とデカくなったな………」
「それはどうでもいいですよ。パパからも早く帰りたいっていうのが来てるんで。私も早く帰りたいんで殺るならさっさと殺り合いましょうよ」
「餓鬼が………!!なめた真似してんじゃねぇぞ!!」
もー、ただのヤンキー。ただのDQNやん。
綾姉さんも綾姉さんで私の隣で怒鳴り散らしているし。こんなところで発声練習しなくていいから。私の鼓膜が終わるから。
人間って案外成長しないんだなって思う。高校までの生活環境で大切なんだなって常々思うわ。
こんなのが兄貴の卒業式で泣いたりとかって想像付かんわ。そもそもブラコンなのが想像付かへんがな。彼女面して花束みたいなのを渡して受け取り拒否されたって話は面白かったけど。
その後に滅茶苦茶パパが綾姉さんにブチギレられたって流れまでもが全て面白い。
ブチギレられても平気な顔してたらしいけど。変に女慣れしているから何とも思わないんだな、この頃から。
意外とTikTokとかと同じようなことすんだなって。長いものには巻かれないスタイルな癖に。そういうところはちゃんと巻かれるスタイルなんだな。
そんな綾姉さんも33歳になっても真っ直ぐです。
「そもそも喧嘩吹っ掛けてきたのは向こうなんだからよ。そんな私達にキレられても理不尽なんだよ……テメェ等が余計なことしたからだろうが。そもそも殺されないだけの力付けとけって話なんだよ」
「あのなぁ………」
「あのなぁ、じゃねぇんだっつっの。こっちだって殺されねぇように……兄さん達も殺されねぇようにって昔から考えてんだよ。そんな周りも見えねぇ奴が妹だなんだって騒いでんじゃねぇよ。守りたい人間もロクに守れねぇ自分の非力を恨めよ」
上記の台詞をアラサー未婚の女が言ってるとは思えないな。もはやジャンプの主人公だわ。ダークヒーロー的なポジションの主人公だわ。
ラノベで言ったら禁書のアクセラレーター的な。
言うことだけじゃなくて行動もしっかり真っ直ぐなのはカッコいいとは思う。やり過ぎなくらいに真っ直ぐなんだよな。
唯我独尊と猪突猛進の塊みたいな人間だわ。
「クソォ………やろぉぉがぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「”火遁・閻魔ノ豪炎”」
「_________!!」
_____ゴォォォオオオオオオオ……………!!!!____
「散れ」




