ASCENSION【《|| 拾玖 ||》】金木犀の華束
「……………っ!?お前らは…………!!」
「あっ?なんすか?」
「初対面でお前って言われるのはスゲェムカつく」
「それは分かる」
「そこの金髪はシャゼラか」
「…………えっ?何か言いました?」
聴いとけよ。音楽聴いてるとは言え、片耳空いてんだろ。なんで急に聞こえなくなるんだよ。どんなタイミングで突発性難聴起こしてんねん。
てか、スマホをいじるのを止めなさい。歩きスマホを止めなさい。うちらの家系でスマホをいじりながら歩いたりしてるのはシャゼラさんくらいだよ。
歩きタバコはするくせに歩きスマホはしないっていうね。いじる時は止まって道の端によっていじってるしね。
シャゼラさん、普通に歩きながらいじるからね。本人は周り見ながらやってるから大丈夫って言ってますけど。そういう問題じゃないんだよ。
言っても何か「ふえっ?(ᐛ)」って感じだから誰も何も言わなくなったけど。こんな馬鹿な女なのに、なんか急に勘が冴えたり、実は色々と考えているからさ。
馬鹿なのか頭良いのか分からん。本当に馬鹿と天才は紙一重なんだなって思うわ。
「緋色の金木犀………」
「それ、シャゼラさんの昔の異名じゃなかったっけ?」
「うん。香住ヶ丘の制服が赤って言うのと返り血を浴びてっていうので。楓でのシャゼラのイメージの花みたいなのが金木犀だし」
「花言葉は陶酔だっけ?」
「ある意味………当たってるんじゃない?陶酔というか独占というか……」
「ヤンデレだもんね」
「懐かしいですね。その異名」
異名のとこしか聞こえてないのかよ。
緋色の金木犀って……結構まんまの名前だよね。楓を抜きにしても、金髪で赤い服着てるだけでっていう話だし。
多分、そこのカテゴリーなら結構な人が当てはまるような気がするわ。
「皇血術式の使い手、遁術の使い手だったな」
「火遁とか水遁とか………NARUTOだわ」
「忍術って言ったらNARUTOのパクリになるからっていうことで遁術っていう名前にしたっていう事情があるとかないとか」
「一応出来なくはないですけど。豪火球くらいなら出来ますよ」
「いいよ。やんなくて」
「流石に天照とかは厳しいかもですけど」
「それまで出来たら本当にうちは一族」
「昔はシャゼラとクエスト行った時は2人でアニメの技真似てたよ。シャゼラがNARUTOの技やりまくってた」
「螺旋丸覚えましたし」
本編で出てこないからって裏では相当やりたい放題だったみたいだ。
「雑談はそこまでだ」
「はい」
「ふっ………」
「何をヘラヘラしてんの?綾姉さん」
「シャゼラの真顔の「はい」が面白かった。ジワる」
パパもパパで何で私のところにこんな頭の悪いアラサー姉妹を送り込んできたのだろうか。勘弁してほしいわ。私一人じゃ対応しきれません。
そういうところなんだよなー。私に押し付けようと思ってやったわけじゃないんだろうけど。気を遣ってくれているのは確かだもん。
この2人が側に居れば間違いなく大幅に戦死のリスクが無くなるし。ほぼ0に近くなる。でも、別に私単体でも死ぬような真似はしませんけど。




