▩ historia♯ 弐佰拾参局 ▩ 〈冥界行っても通常運転でお送りします〉
「よしっ、こんなもんだろ」
「ありがとう、兄さん」
「じゃっ、千明のとこ行ってくる」
「えー、パパー、もう行くのー?」
「まぁ………俺も頑張んなきゃだし」
「それ以上頑張ってどうするんですか。染んじゃいますから。もう少しゆっくりしましょうよ」
「嫌、綾音達と居る方が疲れるから。フラフラしてた方が楽」
「「「「…………………………」」」」
全員が沈黙。見事にバッサリ言われてしまった。
言うだけ言って居なくなっちゃったし。私達を放置していくかな。仮にも女の子なんですけど。女の子を冥界に置き去りにして何処か行くとかどうなのよ?
せめて娘だけは連れてけよ。未成年なの私だけなんだし。他は全員三十路越えてるんだから。そもそもアラサー(一人はアラフォー)軍団に中学生ぶちこむんだよ。
酷くない?未成年は置いてくなよ。
嫌だよ。こんな変なアラサー軍団。こんなオバサン達に囲まれていたら頭おかしくなりそうだわ。
「居なくなっちゃった。あーあ」
「兄様ってタンポポみたいな人ですよね」
「タンポポってヤ○チンへの皮肉の言葉じゃないの?」
「色々なところに行って種撒いてくるからですかね?」
「パパはフットワーク軽いだけ」
「ガードは固いもんね」
「無駄にですね」
「そもそも美紅は基本が女嫌いだからね。浮気する体力と時間あるなら別なことするでしょ」
「浮気とか不倫はパパからしたらデメリットしか無いもんね。嫌いな奴と一緒に居て、世間からも冷たい目をされて……下手したら裁判沙汰になるし。何にも良いことないもんね」
「ただ、もう少し女に対して優しくしてくれてもいいと思う」
「うーん、無理じゃない?」
「無理か………」
てか、敵が全然来ないんだけど。
どういうことなのだろうか?ずっと気になっていたんだけど………こんな目立つようなところに居るのに全然敵が来ないっていうのはおかしくないかな?
……ということは、パパが全部やっちゃったのかな?
そうじゃなきゃ敵がここまで私達に来ないなんていうことは無いでしょ。シャゼラさんが居るのに。こんな巨神兵みたいな金髪の女が立っているのに目立たないなんてことは有り得ない。
どこに居てもシャゼラさんの存在感は半端無いから。どんだけ目と頭が悪くてもシャゼラさんくらいは気付くはずだ。
やっぱり、パパは粗方片付けちゃっているっていう見方しか出来ないな………ママがやっているのは思えないし。ママはずっとパパのことを探しているストーカーじみたことやってんじゃない?
それだけの余裕を持たせても……シンプルに暇を持て余しすぎるから。あんま頑張り過ぎないでよ。私達が居る意味が無くなってしまう。
「どうするの?これから。敵も来ないし。絶対に美紅が終わらせてるんだと思うけど」
「私達ってそんなに頼りないのかな?信用してない?信用がない?」
「綾姉さん、ストップ。アラサーのメンヘラは見ててキモいから」
「メンヘラは何歳になってもメンヘラなんだよ」
「隠す努力くらいはしてほしい。思春期じゃないんだから」




