▩ historia♯ 弐佰拾弐局 ▩ 〈シャゼラさんもアウトでしたわ〉
「楓って、マモトなの居ないのかな?」
「居るわけないじゃん。プロデューサー見れば分かるでしょ?」
「………………受け入れたくない現実だね」
楓とか……そこからの派生ユニットとかを見てみたら、何となく素行の悪さはプロデューサーからの影響だなというのは分かる。
素行の悪いアイドルとか嫌だわ。基本的に全員が素行悪いから。プロデューサーまでもが普通に表舞台に立っちゃっているから余計にね。
全員がそれに感化されまくってるから。
何にも感化されていないパパが珍しい人種なのだよ。
そう言えば、パパがどこに居るのかが掴めない。多分、綾姉さんも掴めていないんだと思う。掴めているんなら、シャゼラさんよりも先にパパに会いに行くはずだ。
ママの気配だけは遠くにいるのは分かるというハッキリとした気配がある。なんならピンポイントで場所も把握できるくらいだ。
それなのに……パパの気配は一切掴めていない。
何故なのだろうか。
「姉様、兄様は何処に居るんですかね?」
「知らん。いくら気配を辿ろうとしても全然分かんない。病みそうなくらいに分かんないもん」
「何処にいっちゃったんだろ?」
本当に綾姉さんも希世乃さんも分かっていない模様。流石に会いたくなってきたな……どこからかヒョイっと現れてくれないものかな。
パパー!!って叫んだから来るかな?
「パパー!!どこなのー!!」
「えっ?どしたの?」
「ファザコンが爆発したっぽい」
「あらら………」
「どうしたの?結憂」
「「「「居たぁぁぁっ!!!!」」」」
叫んでみたら本当に来たよ。
風に乗って若干の血の臭いがパパから漂ってきた。血を浴びている様子は無いのに血の臭いがするって……多分、ここに来てから結構な戦闘をこなしたのだろうか。
綾姉さんなんて1回で血まみれになってるから。綾姉さんは雑すぎるんだよ。
「えっ!?ビックリしたなぁ………何よ、もう……」
「兄様___」
「兄さん!!」
「美紅!!」
「パパ!!」
「……………………………………ぇっ」
「寄らないでよ。特に綾音。どうしたらそうなった?」
「仕方無いじゃん。返り血は」
「流石に浴びすぎじゃない?ちょっと顔良い?」
「あっ………うっ」
パパの服の袖で顔を拭かれる綾姉さん。
私達は何を見せられるんだろうか。綾姉さんがものっそい女の顔をしているのにものっそい苛立ちを覚えるんだが。
後、シャゼラさんが思い切り綾姉さんに台詞を食われているという。思い切り台詞が遮られたね。
「パパ、わざわざ自分の袖で拭かなくても………綾姉さんなら地面に顔擦ってればいいんだよ」
「そういうわけにもいかないでしょ。かわいそうじゃん」
「私にもやってよ。じゃあ」
「美紅、私も」
「何もなってないじゃん。2人は」
「兄様~」
「とりあえず一旦黙って。うるさい」
「「「はい」」」
どんだけ我が強くてもパパの言うことは素直に聞いてしまうっていう………全員がちゃんと返事した後にすぐに黙る。
綾姉さんは元から黙ってたから。顔拭かれてて意識がどっかにいっちゃってる。凄いパパの顔をジーッと見つめてるじゃん。
気持ち悪っ。
パパも目ぇ合わせてないじゃん。




