▩ historia♯ 佰玖拾局 ▩ 〈ペットボトルの木下、タピオカの木下〉
オジサンとオバサンが遅刻したみたいな雰囲気になりつつある。今来たとしても早すぎるくらいだもんね。1時間以上前だもん。
あまり年寄り急かしちゃダメだと思う。そんなに機敏には動けないと思うから。
ママはよく動けるなって思う。元気過ぎない?って。老眼&更年期なのに。体の悩みはババアだけど、ババアを感じさせない元気はある。
元気有りすぎるババアのママ。
「てか、シャゼラって今年本厄じゃない?」
「はい。そうですね。数え年33ですから」
何の話だよ。
ラノベで本厄の話するとか………場違いにも程があるだろ。ファンタジーどこ行ったんだよ。
「私と佳織は今年は後厄だもんねー」
「厄年って役年っていう意味合いあるらしいんで、本厄は本当に役に立つための年っていう認識ですよ、私は」
「超ポジティブシンキング」
だから、何の話だよ。
今、厄年の話とか……どうでもよくない?
なんでここで厄年の話をしてるんだよって話だよ。アラサー既婚の本厄とか誰が興味あるんだよ。マニアック過ぎて需要が無いだろ。
蹟、綾姉さん………今吸ってるのって、リキッド式の電子タバコだよね?Dr.stick的なもの。ニコチンとタールがゼロの、味の水蒸気吸ってるだけのやつ。
吸った気になれるらしいからね。
禁煙したい人にオススメらしいし、かなりコスパも良いらしい。
水蒸気だし、ただの水みたいなものだから有害物質とかも無いから。だからと言って、会議室でこれから色々と話すっていうのに………
何してんのよ。
しかも、片耳にイヤホン付けてるし。明らかにやる気の無さが出てるわ。
てか、綾姉さんの持っているヤツってパパも吸ってたよ。IQOS辞めて、GLO辞めて………今は本当に何故か禁煙を始めようとして吸ってるのだよね?
綾姉さんも禁煙するつもりなの?
「ねぇ、綾姉さんも禁煙するの?」
「あー、これ?兄さんが吸ってるから私も吸いたいなーって。シガーが吸えなさそうな時とか……最近はこれに切り替えてるかな?そのまま止めれるなら止めちゃおうかなって」
「あー、そういうことね」
そこまで真似するとか………ちょっと怖いわ。
重度のファザコンの私が引くくらい拗らせてるブラコンって怖いわ。希世乃さんも拗らせてるし。
あっ、希世乃さんもたまに「綾音の吸ってる電子タバコ買おうかなって。ニコチンタールゼロみたいだし」って言ってたわ。
綾姉さんが吸ってるんじゃなくて、パパが吸ってるから真似たいだけやろ。
てか、パパも高校の時から吸ってたらしいしね。タバコ。ちゃんと紙の方。第三次大戦が終わってから吸い始めたらしい。
そこから一年くらいしてから綾姉さんが吸ってるのを買ってから、それを綾姉さんがすぐ真似して……今は希世乃さんが真似しようとしてる。
……って、今それをママから聞いた。つまり、三兄弟の下2人は未成年から喫煙していたのか。アカンがな。
仲良し過ぎるだろ、この三兄弟。
「高校の時とか、これ吸ってて受付フラフラしてたら「美紅!!」ってオジサンに怒鳴られたから「ちげぇよ!!」ってキレたら、オジサンビビった」
「制服とかジャージ着てると本当に分かんないもんね」
「その時、学校のジャージでフラフラしてたから見分け付かなかったんだと思う」
「今でも私、綾音が美紅君の格好してたりすると「美紅君」って肩叩いたら「ん?なに?」の声が綾音だった」
「旦那と旦那の妹の区別は付けた方がいいっすよ」




