『45』 ヤバいことが起きている
「うぅ………お前………何で俺のことを…………?」
「話は良いから!!急いでここから離れて!!」
「クッ…………俺はお前みたいなお子様に守られるほど、落ちぶれちゃぁい_____」
「私よりも弱いんだから強がるな!!逃げろって言ったら逃げるの!!分かった!?」
「は、はいぃぃ………!!」
何か面倒臭いことを言って逃げようとしないシゼツケンさんに対して、少しキレて無理矢理離れさせた。何でああいうタイプの人って変にプライドが高いのかな?
あれだけボロボロになっているのに逃げないなんて、ちょっと痛みを気持ちいいって思っているんだろうか。
シゼツケンさんを離れさせた私は、近くで起きた爆発の方に向かった。そこにはラークさんが先回りをしていた。ユーリさんは最初に起きた方の場所へと向かっていったみたい。
先に色々と見てくれていたラークさんに何がどうなっているのかを聞いてみることにした。
「ラークさん、何か分かってことでもあった?」
「嫌、全然見当が付かねぇ………どうなってやがんだ?」
(ラークさんでも分からない………マジでどうしようもなくなってきたよ…………)
詰んだ、まさにこの言葉が今の状況を表すのにピッタリだよ。ラークさんと一緒に燃えている建物を見つめて固まっていると、最初の爆発が起きた所を見ていたユーリさんが私達に声を掛けながら走り寄ってきた。
私達の様子を見に来たみたいだった。
とりあえず、色々と見ても分からなかったことを伝えてみると、ユーリさんの口からも分からなかったと返ってきた。うーん、何なんだろう………?何かしらの原因があることは間違いないんだろうけど………
一応、これも何かのスキルなのかな?火に関係するスキルっぽいけど、それっぽいってだけで、そうだとは決まったわけじゃないんだよね。
いくら考えても答えは見つからなそうだ。でも、答えが見つからないからと言って、原因を見つけることを諦めて、また爆発が繰り返して起きたら大変だもんね。
なるべく早く何とかしないといけない。何か思い当たることを、今まで起きたことを全部思い出して考えてみよう。大して詰まっていない頭をフル回転させて、何とか手掛かりを見つけようとしてみる。
(…………………ん?そう言えば、最初の爆発が後に男の人の声が聞こえてきたよね?何か知らないけど、私のことを殺したいって言っていたし)
思い当たること…………あることにはあった。私のことを殺すだとか危ないことを言ったあの声。あの声の人と爆発を起こした人………もしかしたら、同じ人かも知れない。
そうだとすれば、爆発を起こしているのは、私を殺すために手当たり次第に私の周辺の建物を爆発させているってことなのかな?逃げる場所を無くしていって、追い詰められたところを一気に攻める………って感じかな。
何とも、えげつないことうえに面倒なやり方をするもんだね。姿すら見せないって、その時点で色々な気持ちが悪いよ。不気味とかそういうのもあるけど、そんなに私を殺したいなら、面と面向かって戦えば良いじゃん。
仮にも小学生だよ?女子小学生なんだよ?ビビる必要なんてありますか?無いよね?
だからさ、ちゃんと戦おうよ。
「ラークさん、ちょっと前に声が聞こえてきたよね?」
「あぁ、何だか知らねぇけど、お前のこと狙ってたよな?知らない奴に命狙われるって何やらかしたんだ?」
「私は別に何もやっていないんだけと………勝手に殺すだの何だの言ってるだけだよ。ただただ迷惑な話ですよ」
「まぁ、そりゃそうだな。こうやってしか殺すことが出来ないほどアヤテトは強いってことなのかも知れないってことだよ」
「ここ来て2日目で、変な風に知名度が上がってきちゃったみたいだね……………」