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白銀少女戦記 〜Free-for-all〜  作者: 結城斎太郎
†フェアリー・ディファレント†
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『39』 次の日

「ふぅ~、よく寝たよく寝た~」



 私は目を覚ました。あの事件の後は、2人に1回ずつ本気のビンタをかまして枕を取り戻した。血の付いたパーカーはラークさんに洗わせて綺麗にしてもらった。

 ユーリさんからは、寝るときに着れる服をもらっておいて、昨日の夜はそれ着てからグッスリと眠っていました。ジャージみたいな感じの服で、着心地も良くて特に変な感じもすることなく楽に寝れた。


 でも、やっぱり………私の枕の臭いをあんなにガッツリ嗅がれるのを見ちゃったのは最悪だった。変態過ぎて怖いよ。あそこまでやられちゃうと、ネタだなって思えないレベルになっちゃうからさ。男同時で抱き合ってまで女の子の枕の匂いを嗅ぎたいだなんて…………頭のネジが飛んでいるどころの話じゃないよ。

 


「寝込み襲ったりとかはする気は無いようなのに、何でああいうことをしちゃうんだろ?ある意味、寝込みを襲うよりもヤバいかもしれないよ………」




 ___コンッコンッコンッ___




「ん?何でしょうか?」


『あっ、アヤテト。起きたのか?朝飯出来たから降りてきていいぞ~』


「はい、分かりました~」


(あんな事があっても普通に会話できちゃうんだからね。そこも不思議なものだよ)



 昨日の事件がまるで無かったように普通にユーリさんと扉越しで会話をしていた。自分でも何でだろうって思う。本当だったら

気まずくなって会話なんて出来るわけがないよ。

 

 私も、過ぎたことだし………って思い始めているからあれかもしれないけど、2人はもう少し気にしている様子があっても良いんじゃないかな?

 私以外の小さい女の子にも同じことをやり始めたら、それこそ本当に捕まっちゃうヤツだからね。


 嫌、私だからやっても良いってことにもならないんだけどさ。枕の臭い嗅がれるなんて割と嫌だし。

 

 何か複雑な気持ちのまま、リビングへと向かっていく。

 扉を開けると、朝食の良い匂いがした。いかにも、作りたてホカホカっていうのが分かる。

 早速、席について目の前の朝食を食べ始めた。ラークさんは私がリビングに来たときから食べ始めていて、ユーリさんは使った料理器具を洗っていた。


 何かの卵と何かの野菜を混ぜたサラダと高級感のあるフワフワの細長いパン。おかずには、何かの魚と思われる切り身があった。よくある朝食って感じの献立ですね。



「もぐもぐ……………んぉ?………もぐもぐ………アヤヒ!!」


「ぶっ……!?ゲホッ……ゲホッ………!!きゅ、急に大声で呼ばないでよ………思い切り噎せたじゃん」


「それは悪かった。んで、それでだ。お前は沢山食べなきゃ駄目だ!!これから強くなっていくんだから小食は許さないぞ!!」


(べ、別に…………お腹いっぱいとか一言も言ってないんだけどな………というか、言われなくても結構食べるつもりだったし)


「戦いでは性別なんて関係ない!!等しく戦士!!戦士たるもの常に戦いだと思って過ごさなくてはいけないのだよ!!食事1つに関してもそうだ!!食って食って………体を横にも縦にも大きくしないとな!!」


「そんなこと言ってるけど、お前って全然食わねぇだろ。すぅぐ腹一杯とか言うじゃねぇか」



 ユーリさんにツッコまれたラークさんは、さっきまでウザいくらいに大声で長々と喋っていたのに、ボソボソと何言ってるか聞き取れないくらいまで声を小さくしていた。

 あれだけ私に食え食えって言っておきながら、自分は食べないというね。まぁ、それぐらいでグチグチ言ったりしないけどさ。


 私は特に2人の会話にも混ざろうともしないまま、朝食を食べ続けた。

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