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『2』 知らない世界

 いてて、急に何なの?小学生を誘拐するような発言は、法治国家の日本じゃ捕まるよ?


 後、扱いが雑すぎる。私、仮にも小学生なんですけど。色々と変わっているけど、ステータス的には、そこまで普通の女の子と変わらないんですけど。

 はぁ~、思い切り落とされた感じで腰思い切り地面にぶつけちゃったよ。


 全く………全体的にか弱いんだから、今度からは優しく丁寧に扱ってよね。



「よっこらしょっと………ん?そういえば、ここ何処なんだろう?」


(今更だけど、絶対に日本じゃないところに居る気がする………何で?)



 どうしょう、知らない場所に来ちゃっているみたい。

 そこまで高い建物が多いって訳ではないけど、凄い色々な技術が進んでいそうな感じの街並み。ハイテクだね、ハイテク。


 それに、日本どころか、世界の何処かというわけでも無さそうだし。だって、歩いている人全員がエルフみたいな特徴的な耳をしている。


 …………うん、どう見てみても明らかに尖っている。私達の世界には、そんな耳を持つ人は居ない。

 私は自分の耳を触れてみた。もしかしたら……と思って触ったら、尖っていました。まさかの自分までエルフみたいになっちゃっているみたいですね。


 てことは………本当に、異世界に来ちゃったってことなのかな?状況から判断しても、そういうしかないよね。



(ま、まさか!?転移って、こういうことだったの!?)


(しかも、転移の後に何か言っていた気がする。よく覚えてないけど、何とかヘイムって言っていたような………)


(つまり、私はその………何とかヘイムって場所に来ている訳なんだね。なるほど、なるほど)



 嫌、実際は何が何だか全然理解が追いついていないけど。

 でも、異世界に居るってことは確定しているっぽいから、とりあえず何とかヘイムと呼ばれると思うこの場所を少し見て回ろう。


 お金の単位とかも違うみたいだし、そこら辺は通りすがりの人に聞いておこう。

 この歳の女の子が街中を1人で歩くというのは、やっぱり不安がある。てか、不安しか無いね。昼間とは言え、路地裏とかには変な人達居そうだし。


 流石に大人の男の人には力じゃ勝てないし。

 どれだけ警戒していても、避けられないものは避けられない。まぁ、なっちゃったらなっちゃったで、その時はその時だよね。



「まずは、適当に歩こうかなぁ~?じっと動かないでいるよりも、多少は動いた方が良いよね」


(とは言っても、お金は無いから何も買えない………うん、見るだけだよ、見るだけ)


「おっ?お~い、そこの白い髪の女の子~、ちょっとこっちに来てくれないかな?」



 近くのお菓子屋を見に行こうとして歩き始めたところ、知らない男の人に声を掛けられた。

 もぉ~、早速ですか。いくら何でも展開が早すぎるよ。折角、異世界のお菓子に興味があって見て回れるって思ってのに………こんなのって無いよ。


 何も聞こえなかったことにして、この場から立ち去りたい一心だけど、逃げても追い掛けてきそうだから、今のうちに解決しておこう。


 あまり関わっちゃいけないのは分かっている。

 でもね、私の性格上………ああいうのって本気で嫌いだし、悔い改めさせてあげたいっていうのも有るんだよね。



「おぉ~?上玉、上玉。なかなか良い素材じゃないのぉ~?」


(うへぇ………面倒臭そうだなぁ………よしっ、頑張ろ)

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[一言] 「それに、日本どころか、世界の何処かというわけでも無さそうだし。だって、歩いている人全員がエルフみたいな特徴的な耳をしている」 バルカン星人じゃないの?
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