「93」:やっぱり、松岡さんの方が可愛いって話ですよ。歌うめぇし。
ただ、6人全員で乗り込まないといけなくなったっていう制約が生まれたから、6人全員が最前線組として臨界に干渉できるスケジュールを組まないといけないんだけど……総督府からも、表の仕事を優先しつつ、隙間時間で適当にやってくれて構わないという指示が出されている。
臨界の時間経過のスピードが、こっちの世界の3600分の1程度でしか進まないとか何とかで、臨界で2日間過ごしたとしても、こっちの世界では1分も経たないっていう計算になるから、本当に隙間時間で色々と出来る。
精神と時の部屋よりも、ヘタしたらコスパいいんじゃないんでしょうか?っていうくらいなモノですよ。そこまで時間に開きがあると、色々と感覚がバグってきそうだしね。
変な時差ボケみたいのが起こりそうだから、時間を圧迫しないからと良い気になって、長期滞在するのは良くはないっていうのも総督府の方から言われているから、滞在したとしても長くて3日ほどに留める。可能な限り数時間程度で一旦引き上げてくるという状態にしないと、こっちの世界での寿命に関するズレが大きくなりすぎる可能性もあるから、そこは上手く調整しながら動かないとね。
一番は臨界に直接干渉しなくとも、外部からの干渉だけで崩壊される事が出来て、臨界を創り上げた馬鹿達を殲滅するのが理想ではある。しかし、現実はそうは上手くいってくれないものなんだね。
ある程度の臨界への直接的な干渉が必要になってくる。一応、今日の何処かのタイミングで私が臨界への初陣をすることになりますが、その時に臨界に合わせた変なキャラ設定を自動的に付与されることになるとは予め聞いている。そこまで気にするようなものでもないが、とりあえずは前情報として記憶している。
女向けクソなろう系の、中性ヨーロッパのテンプレ令嬢モノみたいな世界観なんでしょ?婚約破棄云々とかが出てくる。スカ〇ロ描写で埋め尽くされている少女漫画みたいな感じなんでしょ?最悪な世界観じゃないですか。
でも、そういうのってWeb小説としてしか見れないから、実際にその物語の登場人物として、その世界の中を縦横無尽に駆け回れるっていうのは、凄い面白そうじゃん。私は滅茶苦茶ノリノリで飛び込めるもんね。
綾姉が臨界の世界観……その限定では、悪役令嬢という主人公ポジションで、気付いたら処女も婚約も破棄されているっていうことらしいですから。
本人の理解が何一つ追いついていない状態で、よく分からんけど別に好き放題やっちゃえばいいや〜っていう悪ノリで、初回から立ち回っているってね。
綾姉、松にぃ、手越ちゃんが、そこがちゃんと3兄妹っていう設定になっていて、一応は「手越ちゃんが綾姉の婚約者を寝取って、その後に綾姉が婚約破棄される」っていうのが過去形の状態で始まっている。「される」じゃなくて、「された」ってところから始まっているから、全員が「何がどうなってんの?」っていう情報の整理から始まって、その状況を総督府やFGOxo-01211と初めとする政府関連の組織に情報を共有しながら、臨界の今回を少しずつ進めている。
それで今に至るって感じでしょうかね。




