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「639」再戦 ⅩⅦ

自分の、過去の自分の判断を改めて恨む。


楓夏依の姿を、仮面の女が楓夏依だと感心した途端………自責の念が一気に湧き上がってくる。


本当に、申し訳ないことをした。

今すぐにでも謝りにいきたい。しかし、それは現状では難しい。


ここは戦場だ。女二人が久しぶりの再会に興じることが出来るような環境であるわけがない。


肝心な時に限って運や巡り合わせが悪くなるのは、相も変わらず……前世から何一つ変わらないようだ。


今よりも少しでも運や巡り合わせが良いならば、確実に今の人生の10倍は楽しくなっていただろう。


まず、自殺することもなかった。自分の意図していないところでの不運があまりにも多過ぎる。


意図していないというよりも、明らかに自分とは無関係な要因による巻き込み事故が多発し過ぎている。


今回ばかりは私の要因もあって、このような事態になっているとしても、ようやく楓夏依との再会を実現に、今までやってきたことへの罪を贖おうと真剣に悩み、実現出来る手前までやってきたと言うのに………何故、運命というのは嫌がらせかのように壁を作りたがる。


ここまで来ると、私個人のせいによる因果応報とは思えない。知らない誰かの分のカルマまでも背負わされているのかと疑いたくなる。


数々の悪行を繰り返してもなお、平然と楽しそうに生きている奴等が大勢居るのだから、そういう奴等が自身で償うべき罪というものを私にのしかかっていると考えたくもなる。


それが俗に言う"理不尽"というもの。背負わされた側はひたすら苦行しか待ち受けていない。自分とは無関係に苦しめられるのだから、そんな状況に陥れば自殺でもなんでもしたくなる方が道理というもの。


私のように、何度でも何度でも這い上がろうとする馬鹿の方が圧倒的に少ないのだ。その私ですらも一度は自殺するような体験をし、自分が関与していようがしてまいが、常に障壁ばかりが現れる。


ここまでの苦行に満ちた人生を歩まされて、気がおかしくならないと言える方がどうかしている。そいつらの方が明らかに業が深くなるべき存在である。


何も知らない人間が、あたかも知っているように振るまっている方が罪深いはず。罪深さしかない。


それだけの事を繰り返しているのに、自分は悪くないと思えるほどのぬるま湯に浸かった環境に居続けている。


その場所は、私と変われなどと厚かましいことまでも言うつもりはない。しかし、確実にお前らが呑気に浸かっていい場所でもないことは言える。


……………この気持ち、理解できる人間は少ないとは思う。本気で苦しんだことがない人間で、自分勝手な振る舞いを無意識のうちに正当化している奴等には到底分かるわけもない。


無意識に正当化するからこそ、自分の行いがどれだけの事かと理解出来ずに敵を作り続ける。


自分の罪も分からない奴には、少なくとも…………私を責め立てる権利なんて持ち合わせていない。



目の前に現れたら、確実に惨殺しているところだな。

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