「619」 そうか、そういうことか CV:永野優里
殺しても死なない相手と戦うということは、確実に消耗戦に持ち込まられる展開になり、加えて確実に追い込まれるという事態に繋がる。
戦闘が本格化すればするほど、私達は確実に負けていく。まず、相対する時点で負けが確定していると言っても過言ではない。
殺すことで勝つという戦場のルールにおいて、殺しても死なないというのは絶対に負けを与えることは出来ない。そして、私達の方は不死身の特性が無い。そうなると、追い込まれれば追い込まれらほど死に近付く。
致命傷を負えば死ぬということが、ここまで大きな弱点となるとは思うまい。
奴等を殺すための鍛練を重ねていったところで、死なない以上はどうにもならない。まだ全員が不死身の特性を持っていることが確定していないとは言え、今浪さんという不死身の特性を持っていることが確定している存在が居る時点で、私達が勝ち切るための方法を見つけ出すのは、勝つことを諦めるということが脳裏に過ぎるほど難航している。
この3ヶ月は特に向こうからの動きも無かったが、いつまでも潜んでいるわけにもいかない。これ以上、向こうにも力を蓄えさせてしまえば、今以上に私達が負ける確率をあげるだけ。
何としてでも、早いうちに……今という一番早いタイミングで全滅させておきたい。
一通りの鍛錬を終え、拠点の中庭にある池の縁に腰掛け、足湯のように水の中に足を膝下まで入れる。
今の季節は秋が訪れ、随分と涼しくなりつつある時期になる。
ただ、まだまだ暑さが残る季節には変わりなく、鍛錬の後の熱くなった体には、透き通った透明の池の水がとても心地良い冷たさである。
足を冷やしながら、思考や感情の整理を行うために、とりあえずは一服を始める。
タバコを咥えながら呆然としていると、後ろから人の気配がした。その気配で誰か来ているのかは簡単に分かったので、振り返ることも、私から声を掛けるということもしなかった。
[̲̅ᛗ̲̅][̲̅ᛗ̲̅]༆l̺͆l̺͆❂[よっ、ゆみり。朝から結構やっていたっぽいね?]☪︎l̺͆l̺͆༆[̲̅ᛗ̲̅][̲̅ᛗ̲̅]
「朝早く目ぇ覚めたからね。ちょっと頑張ってた」
[̲̅ᛗ̲̅][̲̅ᛗ̲̅]༆l̺͆l̺͆❂[ついさっきまで色々とやってたんでしょ?何時からやってたの?]☪︎l̺͆l̺͆༆[̲̅ᛗ̲̅][̲̅ᛗ̲̅]
「5時前からやってた。起きてすぐに色々と始めてた」
[̲̅ᛗ̲̅][̲̅ᛗ̲̅]༆l̺͆l̺͆❂[お前、やりすぎだよ。今が10時過ぎってことは………5時間くらいは色々とやってたってことになるよな?]☪︎l̺͆l̺͆༆[̲̅ᛗ̲̅][̲̅ᛗ̲̅]
「なんか、何かしていないと落ち着かないし。かと言ってゲリラ配信なんかやってられるようなメンタルでもなかったから………とりあえず、体動かしたり、異能を極めていったりっていうことをやった方がいいかなって」
[̲̅ᛗ̲̅][̲̅ᛗ̲̅]༆l̺͆l̺͆❂[そうやって自分を追い込み過ぎるから、変にストレス掛かって大変なことになるんちゃう?もっと加減しなよ]☪︎l̺͆l̺͆༆[̲̅ᛗ̲̅][̲̅ᛗ̲̅]




