「581」 BATTLE FOR L'ARC DE TRIOMPHE ⅩⅥ
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凱旋門賞、開幕。
無事に全ての出走馬がゲートに収まったところで、スタートの合図を待つところとなった。
まだ、奴等の方からの動きは見えない。レースが終わるまでは動かないのだろうか?それとも、レースの途中で動きを見せるのか………
当日中には匂わせだけを行って、実際に行動を起こすのは後日ということも十分に考えられる。
奴等の情報がもう少しだけでもあれば、無駄に頭を悩ませることは無かっただろうに。
奴等の事を常に考えながら、外枠に隣り合っている齏懿蕐と優里の様子を見守る。
後方待機策、最後の直線で大外からの追い上げを計画をしていたのも、外枠からの出走という理由もあった。
2人の得意なレース運びが末脚で一気に駆け抜けるというものであるだけで、枠順によっては大逃げや先行策も考えていたと、打ち合わせの時に明かしていた。
外から捲くって上がりやすい位置付けが最初から狙えるのは、2人としてはとても都合のいい枠順。
他のサラブレッドの強さがどれほどのものかは分からないが、精霊化している化け物と神に近い存在である化け物………圧倒的な身体能力と知力の差がある。
最終直線のトップスピードにて、あまりの勢いに騎手が落馬しないことを祈りたい。
·························そして、ようやくゲートが開き、一斉にサラブレッド達がロンシャンの芝の上を走り出す。
優里と齏懿蕐の動きは……………当初の後方待機策とは違い、2人とも同時に先頭に向かって走っている。
外から内に入りながら、先頭を陣取る2人。
まさかの、打ち合わせとは真逆の大逃げの戦法でレースをスタートさせたのだ。
騎手との打ち合わせでも、大逃げカマスなんて一言も言っていなかった。私も全く把握していない事態になった。
最初からトップスピードで駆け抜け、600メートルほど走った時点で、3番手以降との差は実況により10馬身以上と説明された。
そのトップスピードが、サラブレッドが出せる速度を軽々と上回っていることもあり、3番手の一番人気のサラブレッドも逃げというスタイルでレースを行っているはずなのに、あまりにも優里と齏懿蕐が突き放すため、当初の2人の作戦と同じように終盤で仕掛ける作戦なのかと錯覚してしまうほどだった。
観客席からは、18番人気と20番人気が3番手以降との差を圧倒的なものにしながら駆け抜けている様子を見て、罵声と歓声が入り交じる混沌となっている。
鞍上の騎手さん………本当にしがみつくだけで精一杯だろう。今まで経験したことの無い速度を体感して、無事に生きてレースを終わらせることしか考えていないという感情が遠目からでも伝わるような体勢で2人に跨っている。
ただでさえ、今回の凱旋門賞の件で、上の人達との交渉道具で金をバラ撒いていたのに…………これは謝罪行脚の代わりとしての追加分も視野に入れなければ。
遠征後にも仕事の付き合いを見越しているだけに、私でも予測できない2人のレース運びには呆れて溜息しか出ない。
まぁ、楽しそうなのは何よりなのだが………今回は凱旋門賞を楽しむことが目的ではないことをある程度は意識してもらいたい。




