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「545」 どうやら私に救いは無い模様

どうやら、私に救いは無い模様。


2人とも、私のことを救ってくれるようなことを言ってくれないため、仕方なく私は2人の言われるがままに害獣討伐に向かうことにする。


猛獣屠殺の現場、どこまでYouTubeに載せられるかという考えに既に切り替えている。


惨殺すれば確実に規約違反で、良くても収益剥奪という事になるだろう。となると、外傷無しで殺すしか無さそうだ。


とりあえず、現物を見ないことには攻略云々を考えることは出来ない。



そのままの意味における光の速度で現場に向かい、現物の様子を付近のツリーハウスの連絡橋から伺う。


ツリーハウスがあるところに出没し、特に周辺の住民達の気配も一瞬にして全て消えているところから推測すると、この手の事案は日常茶飯事ということか。


姿も気配も消して、害獣が自分の巣に帰るまで大人しく息を潜めているようだ。


一番平和で余計な犠牲者を出さない最善策と言えるだろう。


動画のネタにするためだけに殺すという私達の発想がとち狂っているだけ。ここに住んでおられる方の対処を本来なら見習うべきなのだ。


ちなみに、今更の説明になってしまうのだが、連絡橋については、公共の道路と同じ扱いになっているため、住民ではない部外者が通行するのは何も問題は無い。


誰かの所有物ではなく、現在地に居る全ての人のものという扱いになっていることは前情報で優里から聞いている。


優里の情報量には毎度のように感謝している。何を聞いても自分が望んでいる最適解を返してくれるという、GoogleやYahooといった検索エンジンの機能性を超えていると思うほどに引き出しが多い。


ここまでの情報を蓄えるための行動力、得た情報の全てと言っても過言ではないほどに記憶している海馬のキャパシティ。


上層部が所属当初から一目置いて特別扱いする理由が分かるほどのハイスペックの脳味噌を持っている。


多方面に通ずる頭の良さと、絶対的な可愛さを持っているって無敵だろ。ふとした時に劣等感が湧いてきて嫌になるくらいの天才。


そして、本人は別に自分の能力を客観的に見て高いということは理解しているだけで、それを矢鱈に誇示するわけでもない。


正直、優里の欠点って思い付くのが、自分の顔に異常な程に自信を持っているだけなのだ。


唯一の欠点が、私目線から見ると、それだけしか見当たらない。齏懿蕐も「自分の顔を褒めてるところさえ無くなれば、本当の意味で非の打ち所のないハイスペック」と称賛するほど。


社会不適合者のフリをしているだけの天才の永野優里さん。私みたいに本格的に社会不適合者を拗らせて、後先考えずに自殺して、自殺した後も同じ事を繰り返しているような馬鹿とは大違い。


社会不適合者なのに、凄い人に恵まれている事には感謝し続けないとな。近い距離感の人間関係が自分でも疑問に思うほどに恵まれ過ぎている。


自殺するほどに精神的に追い込まれた過去があったとしても、十分にお釣りがくるくらいには温室育ちの人生を送ることが出来ている。

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