「221」鋼鐵城 ⅩⅢ
「ミーシャ、私を覚醒させようとしたのって…………私がそれだけの力を持っていたからなの?」
「いや、違う。神辿人になれる条件が整っていたのがカレンだけだと思っていた。そうじゃなかったら、楓夏依と2人で命懸けの陽動じみた事をやろうなんて思わなかったよ。ほれに、そこまで他人の力を見切れる程………私は全知全能って存在でもないし」
「だ、だよね………リアル神様だって、全知全能なわけがないよな………」
「そもそも、楓夏依が神辿人になるのは私でも分からなかった………それに気付いたのは、カレンだけだったんだよ」
「なんで、分かったの?ミーシャでも全く分からなかったのに………」
「な、なんでなんだろうね?そういえば………」
自分でも、自分の底力というものが全く見えていない。見え無さすぎているのだ。どこまでが自分の限界なのか………その底というものが一切分からない。
だから、改めて自分が楓夏依が神辿人になれることを確信したことも、冷静になって考えてみれば…………よく分からない。何も分かっていないのに、直感だけで「楓夏依も扱える力」と認識していた。
それに、楓夏依は「神辿人になっている自分よりも、神辿人になっていない私の方が強い」とも断言している。
私を贔屓して言ってる様子でも無ければ、クソババアの方も楓夏依のその発言には否定も肯定もしていなかった。
困惑しているだけだったとは言え、レイさんが死んで…………戦況も落ち着い、クソババアも冷静になっているはずなのに、楓夏依のその言葉については何も言ってきていない。
敵までも、言葉を失うほどの潜在能力を………私は秘めている···············?現段階だと、それくらいしか私も理解出来ない。
私は立ち上がって、上着のポケットからタバコを取り出して口に咥える。今も尚、串刺しになっている………全身から血を滴らせて絶命しているレイさんの死体まで近付いてから火をつける。
その私の横に楓夏依が神辿人の姿のまま並び、同じようにタバコを口に咥えて煙を燻らせている。
楓夏依の今の姿は………楓夏依の面影がある、別の存在にも見えた。あまりにも雰囲気が変わりすぎているせいで、私の知っている佐藤楓夏依とは思えなかった。
____ピチャ…………ピチャ…………
ᚪ̥ͦ[̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅][̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅]✬ᚪ̺͆[̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅]……………………………………。[̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅]✫ᚪ̺͆[̲̅ᛞ̲̅][̲̅ᚴ̲̅][̲̅ᚵ̲̅][̲̅ᚺ̲̅]ᚪ̥ͦ
「……………………………………………」
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「ん?何?」
声、私を呼ぶ自然な声色…………それは紛れも無く楓夏依のもの。楓夏依なのだから当たり前のことなのに、どうしても見た目とギャップが受け入れきれていない。
タバコの吸う細かい仕草も、本人の仕草だと確信出来るのに…………それだけの異様さを、神辿人という力が私の感覚を歪ませている。
ᚪ̥ͦ[̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅][̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅]✬ᚪ̺͆[̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅]・・・・・・・・・・・・・・引いてる?[̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅]✫ᚪ̺͆[̲̅ᛞ̲̅][̲̅ᚴ̲̅][̲̅ᚵ̲̅][̲̅ᚺ̲̅]ᚪ̥ͦ
「引くわけないじゃん。ただ、別人に見えてるだけだから」
ᚪ̥ͦ[̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅][̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅]✬ᚪ̺͆[̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅]てか、私までなれることに何で気付いたの?私自身でも分からんかったのに。ミーシャだって気付いていなかったんだよ?[̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅]✫ᚪ̺͆[̲̅ᛞ̲̅][̲̅ᚴ̲̅][̲̅ᚵ̲̅][̲̅ᚺ̲̅]ᚪ̥ͦ
「······························何となく、勘」
ᚪ̥ͦ[̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅][̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅]✬ᚪ̺͆[̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅]カレンもカレンで、言うて天才肌のタイプなのかもね。[̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅]✫ᚪ̺͆[̲̅ᛞ̲̅][̲̅ᚴ̲̅][̲̅ᚵ̲̅][̲̅ᚺ̲̅]ᚪ̥ͦ
「どうなんだろ?ただ単に感覚主義っていうか…………頭使うよりも体使って覚えるタイプってだけだと思う。覚えるということ自体に頭使ってんのに、覚えるために更に頭使うとか…………私は理解できないし、そんな器用な事出来ん」




