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「179」山犬と化け猫 Ⅱ


「うおっ…………!!??」








___バシュゥゥゥゥンッ………!!!!







ちょっ………!!


ミーシャの攻撃が私に飛んできたんだが!?


いや…………私が飛び込んでしまっただけか?


そうとしか、考えられないな。ミーシャは敵を狙って紫色の炎の火炎放射を放った。私も同時に閃光スキルを使って敵との距離を詰めたので、自分から向かっていった私の責任以外に無い。


速度に慣れるために、閃光スキルで出せるMAXのスピードで移動したのはいいが、まだまだ精度に関しては微調整が上手くいかない。それに、発動する時に速度を上げるために意識を一時的に………一瞬だけだが、意識を研ぎ澄ませるために、周辺への注意力が若干無くなる。



若干なら大丈夫だろうと思った私の考えが甘かった。敵の攻撃ではなく、味方の攻撃で死にかけるまではいかないものの……自らを危険に曝すような真似をしてしまった。


そして、反射的にミーシャの火炎放射を弾いたことで、敵を庇う形にもなった。



この隙に敵は私達から距離を取ったみたいだ………が、移動した先に楓夏依とレムリアが待ち構えていたため、その2人の連携により、全身を斬り裂かれて即死。


楓夏依の背中から千手観音のように無数の手を生やし、その手によって全身を拘束され、そこにレムリアが剣で何度も素早く斬り付けるといった流れだ。



一瞬の出来事だった。

私が偶然2人の方に視線を向けたことで見られたようなものだった。視線を逸らして再び2人の方を見た時は死体から離れて、潜んでいる残りの連中の捜索に向かっていた。


あの2人は自我を貫きつつも、割と調和を意識する性も持ち合わせている。その性格同士の2人だからこそ、そこまで打ち解けているわけではない関係値であっても、連携を上手くとることが出来たのかもしれない。


プライベートでは殆ど接点が無い2人でも、仕事と慣れば親友アピールも出来るほどの息のあった立ち振る舞いも出来る。


お互いに似ているからこそ、似ている方向性まで同じだからこそ………逆に互いの事が無関心になったケースの関係性と言えるかな。



ᚪ̥ͦ[̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅][̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅]✬ᚪ̺͆あっ、ごめん!!✫ᚪ̺͆[̲̅ᛞ̲̅][̲̅ᚴ̲̅][̲̅ᚵ̲̅][̲̅ᚺ̲̅]ᚪ̥ͦ



「いや、私が勝手に突っ込んだだけだから」



ᚪ̥ͦ[̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅][̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅]✬ᚪ̺͆だとしても………怪我とかは?✫ᚪ̺͆[̲̅ᛞ̲̅][̲̅ᚴ̲̅][̲̅ᚵ̲̅][̲̅ᚺ̲̅]ᚪ̥ͦ



「ないよ、ないよ。せっかく殺ってくれようとしてくれたのに…………私が余計なことをしたせいで、ごめんね」



ミーシャは私のところに駆け寄る。駆け寄る時の勢いで、全身に降り積もっていた雪が私の頭の上に降り掛かる。


ミーシャの体の匂いと共に私の頭の上に雪が被さる。ミーシャの匂いは獣臭さというものはなく、風呂上がりの女の子から漂うシャンプーの香りがする。


楓夏依と同じベッドで寝る時に、楓夏依の方から香ってくるものと同じ匂いだ。


ミーシャと楓夏依からは私からも良い匂いが漂っているらしいが、その自覚は全く無い。


特にミーシャが私の匂いが好きらしい。コラボ配信の時は、通話アプリなどで繋いで会話するのではなく、ミーシャの要望から普通に配信部屋で2人並んで配信するのが当たり前になっている。


基本、VTuberのコラボ配信は3Dモデルの時の配信以外は通話アプリなどで繋いで行うことが多い。


実際に会うのはオフコラボ………って言うのが分かりやすいか。CRY.STi⟬A⟭LLIZATIONと[̲̅N̲̅][̲̅E̲̅][̲̅V̲̅][̲̅E̲̅][̲̅R̲̅][̲̅L̲̅][̲̅A̲̅][̲̅N̲̅][̲̅D̲̅]は割とコラボ=オフコラボというやり方をしていた部分もあるが、他の箱だとオフでコラボするのは多くはやらない場合が多い。


余程、それなりの関係が築かれている間柄でないと厳しい。自分のプライベートの空間と時間を共有してまでの配信となれば、あくまで仕事仲間としか認識していない薄い関係性ならば、わざわざプライベートの空間までもコラボ相手に占領されたくないという気持ちがあって当然。


これが表沙汰になってくると、闇が深いだのと言われることになる。闇が深いというよりも………ただの同僚であり、仕事以外では特に関わりがないような職場の人間を自分の家に上げますか?という問いに対して、「それは難しい」と思ったならば、それと全く同じ事だと考えてくれればいい。


それ以上の説明は……………無用ですよね。


それに、CRY.STi⟬A⟭LLIZATIONや[̲̅N̲̅][̲̅E̲̅][̲̅V̲̅][̲̅E̲̅][̲̅R̲̅][̲̅L̲̅][̲̅A̲̅][̲̅N̲̅][̲̅D̲̅]でオフコラボが出来るというのは、友達としても普通に付き合えるような間柄のメンツでしか出来ていない。やろうと思わない。


2人きりになって、無言の空間になったところで特に気まずくなったりしないくらいまでに仲良いメンバー同士のコラボだからこそ、気兼ねなく出来るという話。



そこまで仲良くなっているから、お互いの体の匂いを嗅いで良い匂いということを言い合ったりしている。


仕事上の設定における仲良し程度じゃ、こうはならない。VTuberの人間関係も、人間が営んでいる以上は普通の職場と変わらないということだよ。


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