「171」HIGH BRAND
「···············[̲̅N̲̅][̲̅E̲̅][̲̅V̲̅][̲̅E̲̅][̲̅R̲̅][̲̅L̲̅][̲̅A̲̅][̲̅N̲̅][̲̅D̲̅]に払ってまで買うようなブランド力、あるかな?」
「普通に大手なんだから。金払ってまで欲しいから、応募期間外でも何千人という応募者が来るんでしょ?7期生とか倍率1000倍でしょ?」
「大手にしちゃ少なくない?倍率」
「基本的に500倍は最低でも超えるとか言われるのが企業勢だからな。これより下の事務所は事務所としては逆に安定しないから。普通の事務所であるっていうだけで、入るために500分の1に入らなきゃいけないのが企業勢で、そこまでして入ったのに、現実は全く違って………人間関係も厳しければ、収入も見合っていない。でも、偶像である自分達が雑談で企業の事は悪く言えない………企画費も実費、税金は高い、それでいて事務所からも色々と持っていかれる…………倍率1000の中を勝ち抜いた先の未来がコレとか、本当に夢も希望も無いよ。夢と希望を与える側の仕事をしている側の現実が、ここまで悲惨なのも珍しいよ。多分、5万円平気でスパチャ出来るリスナーの方が金あるよ」
「お菓子代で500円貰っても実際入ってくるのは100円入ればいい方なのが当たり前とかいってる」
「それなのに、私が初めて120円のスパチャをした推しのVTuberが名前呼んでありがとう!って言ってくれたのが、実際にVTuberになって余計に聖人に思える」
「何も買えないのに等しいのにね」
「聖人だからこそ止めざるを得なかった業界の闇の深さよ」
「VTuberで生き残るヤツなんて赤スパ貰ってもスルー出来るメンタル無いと無理よ。「〇〇さん、ありがとう〜(棒)」で流せるヤツが生き残れる」
「·························うん」
「楓夏依には悪いけど、120円のスパチャなんてスパチャにはならないのが普通の配信者だよ。金への有難みすら分からないくらいに頭おかしい奴等が集まってんのが配信者の世界」
「ミーシャの言う通り………それが辛くて何度も辞めたいとも思ったな。誹謗中傷だけじゃなくて、そこの辛さもあった」
「楓夏依は優し過ぎるんだよな〜。赤スパ見逃したくらいでヘラるから…………「そんなん気にすんな」って話だし。リスナーすらも気にしないわ、そんなの」
「スパチャはあくまで目立たせるための道具であって、読まなきゃいけないなんてルールは無いよ」
「私なんて赤スパの下にあるスパチャですらないコメントを何回も読んだことあるし、赤スパ投げたリスナーに追加で「無視しないでもらえます?不快なんですが」ってスパチャで言われたけど、「嫌なら見んな」って返した」
「人としては不正解だけど、配信者としては大正解のゆみりの対応」
「人として不正解の言動を金に変えるのが配信者よ。人としての不正解を金に変えてんのが配信業というエンタメよ」
「配信業の大元なんて、元は現代社会に疲れた人の愚痴の吐き溜めとして………誰でも良いから共感してくれる人が欲しくて、枠を適当に立てて共感してくれる人が居たら、心が安らぐ………っていうものじゃん」
「本当に昔の話だよね」
「今の無料通話アプリが、まさに昔の配信界って感じがする。金目的じゃなくて、自分の話をただ単に聞いて、コメントしてくれる人がいるだけでいい!!みたいな」
「それが企業が絡んで、自分の顔を隠しためにアニメキャラを被ってみた結果が………VTuberか」
「投げ銭システム自体は昔からあったからね。投げ銭の文化は本当に大昔からあるから」
「ストリートパフォーマーで、そこから企業に拾われて一端の芸能人みたいになって………っていうのが、大きい箱のライバーには多いのかも」
「個人勢はストリートパフォーマーよ。でも、Vの世界だと、まさかのストリートパフォーマーの方が待遇が良いという異様な業界でしかない」
「個人勢なんてチャンネルBANされなきゃいくらでも何やってもいいところあるしね」
「本来なら縛りがない中でフリーダムに発言するのが配信者の売りなのに、規約でガチガチに縛ったら面白くなくなるのは当然」
「逆に、そんな中でも面白いことを出来るのが生き残っている感じか………」
「生き残っても金が手元に残らないのが企業勢。マネジメントとブランドに対して、そこに金を払う価値が見出せないなら個人勢の方がいい。セルフマネジメントとセルフマネジメント、ブランディングが出来るんなら、事務所入るメリットは無い」
「マネジメント業務の委託って感じだもんね。まぁ、普通に仕事の外注なんよな」
「それをわからない人が意外と多い。マネジメントという仕事を請け負う組織が事務所なんよ。お互いに業務委託をし合っているから成り立つ仕事なんよね。お互いがお互いの仕事に対して報酬を払ってる………取り分って言い方をするからおかしくなるだけで。ただ単に力関係の上下があるから、演者は弱いみたいになってるだけ」
「逆に、私達みたいに演者優位の契約も結べるのが………業界の闇を上手く使うってことになるのかな?必要悪があるならば、それに屈するんじゃなくて、それを利用する方向に考えをシフトすべきなんだよ」
「こういう仕事をしている人間なんて狡猾なヤツしか居ないもんねぇ〜。てか、ゆみりと楓夏依………そこまで色々と話せるのがビックリだよ」
「VTuberはセンスじゃなくて、誰よりも誰でも出来る事を積んだもの勝ちみたいなとこあるから。頑張っても何にもならなかった……っていうのは、何も頑張ってないんだよ!っていうのを平気で突き付けられる世界ではあるかもだけど」
「簡単に食う側にも食われる側にも回れちゃう世界だから、そりゃ金と人の回りが異常な程激しいのは納得」
「最終的には·························どれだけ自我を保てるか、だよね」




