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「156」初体験


そういう話をされているのは私も楓夏依も分かっていた。それを分かっている上でミーシャにもタバコを渡そうと考えている。


長い時の中を生きていて、本当に1本も吸ったことが無いというので、ここで吸えば喫煙初体験ということになる。


スモークヴァージン卒業だ。



「どうする?」


「吸うに決まってるじゃん」


「このタイミングで社長がカフェに来たら、私は絶対に爆笑してしまう自信がありますわ」


「社長は居ないけど、社長の息が掛かっている人は居る」


「「WAO···································??」」


「というか、この店が[̲̅N̲̅][̲̅E̲̅][̲̅V̲̅][̲̅E̲̅][̲̅R̲̅][̲̅L̲̅][̲̅A̲̅][̲̅N̲̅][̲̅D̲̅]が金出している………社長が本社の株式を持っているチェーン店の店だし」


「マジで?」


「嘘ーん。…………っつっても、別にだから何やねんっていうのが正直な感想なので、特別驚きはしませんけどね」


「それなのそれな」


「じゃあ、貰いまーす」


「うぃっ」



色々と話を聞いても何の躊躇も無く、私はミーシャにタバコを渡す。

この喫茶店の大元の会社に[̲̅N̲̅][̲̅E̲̅][̲̅V̲̅][̲̅E̲̅][̲̅R̲̅][̲̅L̲̅][̲̅A̲̅][̲̅N̲̅][̲̅D̲̅]の息が掛かっていようが私には何の関係も無い。


タバコとライターを渡して、ミーシャに吸わせてみる。


タバコ初めて吸う人がやりがちな、タバコを咥えずに先端に火を付けるだけということをやらずに、割と手慣れた感じでタバコを咥えてライターで火を付けた。


本当に吸った事がないのか?と一瞬疑問に思ったが、私達からは想像の付かないくらいの長い人生を歩んでいたら、タバコを吸っている人の仕草なんて、何回見たか覚えていないくらいに見ているはずだな。


それに、私と楓夏依が吸っているところを間近で何度も見ているわけなのだから、吸い方くらいは分かるか。



「·····························ぷはっ(๑*°∀°๑)=3」


「顔が」


「えっ?何かあった?」


「てか、噎せたりしないの?普通に肺に入れて吸ってる感じしたのに」


「···································うーん、ヤニクラっていうのもない感じだね。やっぱり、狗神の血があるから、無駄に体がタフに出来ているのかもしれない」


「ちょっと、もう1回吸ってみて?」


「·············································ぷはっ(๑*°∀°๑)=3」


「煙の吐き方が可愛いな」


「なんか、口の中が変な感じする。変なのが貼り付いているような……カピカピしている感じがする」


「タールだね」


「えっ、タールって口の中に貼りつくようなもんだっけ?」


「粘着性があるとは言われてるよね。実際のところはよく分からんけども」


「でも、私は結構好きな味かもしれない。匂いもだけど、私ってタバコ吸うのが体に合ってるのかもしれない」


「いや…………体に合ってる人っていうのは居なくね?てか、タバコの味が好きな奴は喫煙者の中では限り無くゼロに等しいで?」


「でも、よく「タバコが美味い!!」とか言ってる人居ない?」


「それは仕事終わりや飯の後に吸うタバコ吸ってる感じが良いだけであって、別にタバコそのものを美味いと言ってるのとは訳が違うね」


「なるほど、なるほど。タバコ自分で買って吸うってなった時に…………オススメの銘柄とかある?」


「そういうのも人に寄るからな…………私とか楓夏依はメンソールが苦手だから、レギュラーのタバコしか吸ってこなかったけど」


「紙じゃなくても、電子タバコっていう選択肢もあるし」


「電子タバコもあったね。電子タバコ吸ってる人は結構見掛けるし、吸ってるところが割とお洒落に見てるから………電子タバコでも良いかもしれない」


「でも、紙巻きで満足しちゃったら…………電子タバコだと物足りなくなるかもしれないからね」


「んー………………何が良いんだろ?」


「とりあえず、セブンスター買ってみる?というか、最初はお試しで1箱私が買ってあげるから。その1箱を吸ってみて………改めてどうなるかで選んでみても良いかも」


「うん!!そうする!!」


「ありゃりゃ、これで[̲̅N̲̅][̲̅E̲̅][̲̅V̲̅][̲̅E̲̅][̲̅R̲̅][̲̅L̲̅][̲̅A̲̅][̲̅N̲̅][̲̅D̲̅]のライバーに、また喫煙者が増えることになっちまったね」


「社長、ガチギレ案件かもしれんな」


「絶対に後でお呼び出し食らうパティーンのヤツよ」



怒鳴られるということは無くとも、淡々と長々と文句を言われるだろう。文句を言われない未来が見えない。


内心、本気でキレながら「何故、ミーシャにタバコを吸わせるような真似をしたんだね?」って優しく言われるのだろう。


こうなっても、ミーシャが「私が好きで吸ってるんだけど?」って言って、そこからは2人の話し合いを繰り広げてくれれば良い。


あまり、首を突っ込むのは得策とは言えないのでね。


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