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「149」DECEIVING of GLUTTONIY ⛓「SIXTY」⛓


「別にいいですけど」


「2人とも落ち着いて」


「この雑種犬が喧嘩売ってきてんのが悪ぃだろうが。こっちはどんだけ我慢してると思ってんだよ」


「グルルルルル……ガルルルルル………!!!!」


「······························ミーシャさん」


「は、はい……!!」


「今までの流れだと、明らかにミーシャさんが悪いことになりますが…………自分で何が悪いとかって分かってますか?」


「あ、いや………その····················えっと…………」



喧嘩両成敗、と言いたいところだが。


今の楓夏依とミーシャちゃんの小競り合いについては、ミーシャちゃんが原因で始まっているため、これで喧嘩両成敗というのは楓夏依が可哀想だ。


実際に喧嘩が始まっていくところの一部始終をこの目で見ている以上、どちらに非があるのかも容易に判断できる。



……どう考えても、ミーシャちゃんが楓夏依に対して噛み付き過ぎているのが問題。私が楓夏依の立場だったら、問答無用でその場でブッ飛ばしている。


ここでミーシャちゃんが言い訳を並べたところで、誰でも納得できるような事を言えるとは思えない。


ヤキモチというのは言い訳にならない。そんな言い訳されたら、楓夏依よりも先に私がムカついて手が出る自信がある。



それを察していたのか、ミーシャちゃんは何も言わずに、尻尾と耳を力無く垂らして俯いる。


······························これも、こういうタイプの人間に有りがちな行動の一つ、謝罪の言葉を言う前に無言になるというところかな。



「·······················································」


「ミーシャさん?」


「·······················································」


「・・・・・・・・・・・はぁ……」









___ガシャンッ………!!!!











「きゃんっ!?」


「キャッ…………!!」


「ゆ、ゆみり………?」


「さ、流石にテーブルを蹴り飛ばすのは良くないって………」


「イラつくのは分かるんだけど…………だからって言って、そんなDQNみたいなことをしなくたって···············」


「すまん、こういうの本当にムカつくタイプだから」


「………………すみませんでした………」


「私じゃないですよね?」


「か、楓夏依さん………すみませんでした………次からは気を付けます」


「何を?」


「へ、下手に煽るような話し方をしたり………自分の感情優先で話さないようにします………!!」


「あっ····················私も、すみません。多分、私が、今ゆみりがやっているように、話せばよかったのかな?………とは思っているので」


「楓夏依は謝らなくていいんだよ、悪いのはミーシャさんなんだから。あんなんされたら誰だってキレるわ。私が楓夏依の立場だったら、普通に何の猶予もなくこの場でボコボコにしてたわ」


「ヒィッ······························!!」


「私も少々言い過ぎたので、それは申し訳ございません」


「い、いえ………そんな………私の責任なので」



ストレスが溜まり過ぎて、思わずテーブルを蹴り飛ばしてしまった。灰皿はテーブルに固定されていたので、倒れることは無かった。


ただ、そこの上にあったティーポットやマグカップの類は倒れてしまった。


素材が頑丈だったためか、ティーポットはテーブルの上に倒れた後に床に落ちたのだが、特に傷が付いている様子も無かった。


中身は全部出てしまったが…………怒りのあまりに、テーブルの上の状況を考えずに強めに蹴り飛ばしてしまったのが良くなかった。


私は魔法で零れた紅茶を台所にある流し台のところまで浮遊させて、そこの排水口に紅茶を全て流し込んだ。


流石にノールックでは事故るので、浮かせた紅茶の塊を自分の体と一緒に運んでいった。

その後ろから、空になったティーポットを持ったミーシャちゃんがやってきた。顔を見てみると、怖がらせ過ぎてしまったのか、涙をポロポロと流しながら、私に向かって小さく「すみません……すみません………」と呟いていた。



(やばっ…………ここまでにするつもりは無かったのに………)


「す、すみません………ミーシャさん………」


「私が………余計なことを………しなければ…………!!!!」


「あぁぁぁ……!!な、泣かないでください………!!私もちょっとやり過ぎたので、私、関係無いのに、ちょっと…………楓夏依の、その、まぁ…………なんて言えばいいんでしょうか?」


「わ、私のことは………!!!!嫌いにならないでください……!!!!お願いします……!!お願いします……!!!!」


「嫌いになったりしませんから………落ち着いてくださいって………!!」


「……………………うぅ」


(はぁ………どうすりゃいいんだろ?)




···································私、色々な意味で、自分の今後が心配になってきた。



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