❆【460】❆ 弟君の中の人が「夏樹」なの、マジで狙ったんか?ってレベル。ややこしいわ。
「てか、環奈の方はどうなの?環奈も学校で結構モテるんじゃないの?」
「綾姉、これがですね……私ってこんなんじゃん?だからさ、全然モテないんだよね。可愛いとは言われるけど、私って自分の顔が結構嫌いだからさ。綾姉も松にぃもそうじゃん?」
「まぁ、そうね。顔が可愛いとかって褒められると、何かちょっと複雑になったりする。嬉しい!ありがとう!って素直に思えんのは分かる」
「そういうのが思い切り出ちゃってんのか分からんけど、本当にモテない。モテなくていいんだけどね。彼氏要らないから。推し活で忙しいんだよ!こっちは!ってなるから。お前らよりもカッコいい人間を見てるのが好きなの!分かる!?察して!?……って言わなくても、中身珍獣過ぎて男からは怖がられてる。女友達はそれなりに居るけど。本当に友達って呼べるのは………私の中では、アイツだけだよ。一緒に事務所にきたアイツだけ」
「友達って別に多いだけ疲れるし、その分だけ関係薄くなったりするからね。それは分かるかもだわ」
「綾姉もそういうタイプっていうか、ここの事務所に居る人達って、交友関係に関してはそんなに広く持たないじゃん。人の繋がりは広く持ちたがるけど、本当に心を許せるような………今みたいに変な気を遣わないで要られるような人間関係は徹底的に狭くして深くしていくことに拘っているというか。特に、ここに居るメンツはそうじゃねぇのかな?って思ってんだけど」
「あー、環奈の言う通りだわ。私も叶綺もそんなんだしね」
「シゲさんは友達少ないっていうのは知ってますよ」
「…………間違ってないけどさ、何かその言い方はスッゴい棘があるよね?もう少し言い方考えられなかったの?」
「珍獣なんで分かりません」
「ふははは……!!!!ゲホッ!!ゲホッ!!……ああ”……マジで、そういうシンプルなサクッとした変な返し、私は好きよ」
「綾音、テメェ、笑い過ぎだよ。お前もお前でそういうのが良くない」
「私も珍獣なんで。諦めてほしいっすね。もー、変われないっすよ」
「腹立つわ……!!何やねん!」
「聖奈ってそうだもんね」
「あれ?叶綺って聖奈って呼んでんの?重岡さんのこと」
「あ・・・・・・」
「別に隠す必要無くね?私も「あれ?何で名前で呼ばないんだろ?」って思ったよ。出先じゃないのに?って」
「使い分けてるから、たまに変な感じになるんよ」
「それはわからんでもない。でも、何の「あ・・・・・」だったの」
「分からん。自分でも無意識に出た「あ・・・・」だったよ」
「珍獣しか居ないっすね。この場。動物園っすか?」
「環奈の悪口がそこら辺に転がってるアンチコメよりも何か嫌なんだよ。心にくるっていうよりも、変に頭に残るから鬱陶しいんだよ」
「重岡さんだってクスクス笑ってるじゃないっすか。基本的に」
「う、え、まぁ……そうだけど」
「何でゲロ吐きそうになってんですか。逆流性食道炎か何かですか?」
「そういう変なのが印象に残るって言ってんだけど」




