❆【427】❆ 静御前、義経の愛人だったし、あの時代ならクソほど気ぃ強くないと生きていけんよね。
「あっ、綾姉!ずっと気になったんだけど、臨界ってどんな感じなの?別に臨界に関することは守秘義務とかないでしょ?知っている事ならバンバン広めた方がいいっていうのを総督府から聞いたわ」
「あー、そうそう。今日から「一般人相手にも情報を拡散して、多くの人間を動かして、数的有利と数の暴力で追い詰めてみよう」っていうのが、朝っぱらからメールで来たから、今日の夜の配信とかにでも触れていこうかなって」
「私のとこにも聞いたよ。最前線組にしか送ってないんじゃないの?誤操作?」
「それは無いと思う。一斉送信したっぽい。クエストバーサーカーとしての身分証を持っている人間全員に送ったって」
「あー、総督府から何か来てるって思ったらソレか………内容見てなかったけど」
「私も重岡さんと一緒で、そんなに気にしてなかったな〜。重岡さんと朝飯食いながら仕事の話をしていたら総督府からメール来てたっていうのが綺麗に頭から抜け落ちてた」
「最前線組だけは絶対に読んどけってヤツだしね。他はどうでもいいみたいな感じだから全然大丈夫じゃない?」
「そもそも、私達臨界に行けないし。最前線組だけでしょ?環奈でも行けない場所なんだっけ?」
「上層部では環奈を一時的に最前線組として使ってみようっていうので、最前線組の現場を経験させるために、試しで何処かのタイミングで同行させてみてくれね?っていう話はあるんすよ」
「えっ?マジで?環奈の扱いってそんな感じなの?」
「私の方でもチラッと聞いてましたけど、私は「まだちょっと最前線組の仕事は……」ってやんわり断ったので。最前線組に「最前線組」として関わるのは、もう少し先になると思うんすよね。何がどうなってっかも分からん世界に前情報が一切無しの状態で突っ込みたくはないんで」
「あー、前情報で私に臨界の事を聞いた感じ?守秘義務も無くなったから「ちょうどいいから聞いてみっか〜」みたいなノリ?」
「そうそう。気兼ねなく色々と聞けんじゃん?」
「多分、環奈に情報を色々と渡せるようにするために解禁したってのもありそうだよね。綾音とかと一緒に居るのも総督府は分かってるだろうし」
「どうなんすかね?まぁ、色々と伝えられることはあるんで。環奈、何か知りたいことがあるなら、答えられる範囲で全然答えるよ。私自身も分かんなくなったら、補足説明みたいのをフリーレンさんから貰うから。あの人返信早いから。ChatGPTよりも便利」
「女神の事をChatGPT呼ばわりするの、流石は綾音って感じ」
「関係値ありますからね。ははは」
「さっさと臨界の話してやれよ」
「うぃーっす。環奈、何が知りたい?」
「どういう感じの世界なの?」
「女向けクソなろう系みたいな世界観。悪役令嬢みたいな……異世界恋愛!っていうのが丸出しの場所。多分、アレ作った女神がそういうのが好きなんだろうなって一発で分かる感じ」
「随分と気持ち悪ぃ世界なんだな、聞いて損した気分になるくらいに」
「止めてくださいよ。こっちだってソコに関しては現実逃避気味になってんすから」




