❆【277】❆ 染まってはいけない雰囲気がプンプンする余。挑戦ってそういうことじゃないん余。
私達がマシに見えてくるっておかしいよ。絶対におかしい社会だからね?メジャーデビューしていて、ネットでも一般向けでも結構な影響力のあるアイドルの癖に、いつまでも底辺YouTubeみたいな事をしてんだもん。
ファンから送られてきた呪物を野焼きする企画動画を作るとか、頭おかしいでしょ。それを喜ぶ喜ばないは別としても、それが割とマシに見えてしまうという現象は絶対に良くないって。
マイナス方向で私達超えたら駄目だから。私達が最後の砦みたいな感じなんだよ?私達という砦の向こう側は奈落の底に繋がる崖なんだよね。下が全くもって見えないくらいに真っ黒になってんだよ。
そういうのを何となく伝えているのに、何で飛び降りようとするのか。どんだけ自殺願望強いんだよ。私達が自傷行為なら、その一個上は自殺行為なんだよ。命無くなっちゃうから。マジで。
…………やべっ、話し過ぎたわ。流石に地の文多すぎたわ。すみませんでしたー。
では、野焼きの企画の方を進めてまいりまーす。
こうやって地の文ダラダラ埋めながらも、ゴミ山を適当に処理してんだけどね。火が消えないように、タバコ吸いながらフリーレンさんも手伝いながら、面白くなさそうなものやヤバ過ぎる呪物系は全部適当に燃やしている。
残り5分の1以下くらいまで減らしたところで、そこを編集点として改めて本番用に切り替える。タバコは縁側の適当なところに置いておいた。落ちそうだから。ずっと入れっぱなしだったのを忘れていたから、たまたま落ちなくて良かったと思いながら、4人全員で縁側にそれぞれ紙と電子を並べて置いておく。
そこから撮影再開……という体で始めたんだけど、佳織が再開一発目に持ってきた代物が呪物シリーズとは違った方向でヤバいものだった。
何か、パック詰めされた変色したイチゴを持っている。明らかに腐りかけのイチゴなんだよね。綺麗な赤色じゃなくて、思い切り黒ずんでるイチゴなんだよ。カビは生えてないからギリ食えそうな見た目してるだけの赤い塊の何かだよ。イチゴに似たゲテモノです。
集合体恐怖症じゃなくても気持ち悪くなりそうな色してるイチゴだな。
[̲̅ᛗ̲̅][̲̅ᛗ̲̅]༆l̺͆l̺͆❂[[̲̅[̲̅ᛟ̲̅][̲̅ᛟ̲̅]…おい、何持ってんだよ、馬佳織…[̲̅ᛣ̲̅][̲̅ᛣ̲̅]]☪︎l̺͆l̺͆༆[̲̅ᛗ̲̅][̲̅ᛗ̲̅]
「えっ」
「ちょっと臭い嗅いでいいですか?」
「ほい」
「…………………・・・・・・・・いや、そんなに変な臭いはしないですけど」
「お前、今、鼻詰まってるとか言ってなかったっけ?」
「そう言えばそうでした」
「美紅くん嗅いでみて」
「・・・・・・・・・・・・ん”?えっ、ん?………ああ、何かちょっとだけ変な臭いするかも」
「一応、冷蔵庫入ってましたけど」
「あー、元から腐ってんかな?」
「食べる?」
「誰から行く?私から?」
[̲̅ᛗ̲̅][̲̅ᛗ̲̅]༆l̺͆l̺͆❂[[̲̅[̲̅ᛟ̲̅][̲̅ᛟ̲̅]…綾音って変なところで乗り気なのがよく分からん。腐ったもんやぞ…[̲̅ᛣ̲̅][̲̅ᛣ̲̅]]☪︎l̺͆l̺͆༆[̲̅ᛗ̲̅][̲̅ᛗ̲̅]
「性格腐ってるんで。私」
「おもんないです」
「へけっ!」
「閉経って言いました?今?」
「言ってねぇよ」