20012/30532
華の言葉、枯れ百合
華の言葉、枯れ百合
音域
mid1C〜hiF
冬が告げる
あの日の電報
まだ知らない未来の
四季の1つをなぞるように
枯れた百合の華
雄花の匂いがツーンと
隣り合う雌花に寄り添って
嘘を並べた花言葉
匂い匂われ匂わせた
嗅がされた悪魔の甘い
残り香の告げる愛言葉
いくつもの冬景色を
この目に焼き付けてきた
冬めく雪の
屋根から落ちる雪崩
ツガイの百合の並ぶ
そこに落ちていくのを
ただ見ていた
落ちていく
溶けた氷柱の涙に
シトシトと垂れる
昼下がりの露を纏う
あの花びらはもう……
もう、綺麗な華は咲かない
僕の合言葉も届かない
僕の投げた赤い愛言葉は
君にとっての別の誰かに流れて
赤い花弁は儚く散りゆく
あの日の彼岸花のように……
いくつもの冬景色を
この目に焼き付けてきた
冬めく雪の
屋根から落ちる雪崩
ツガイの百合の並ぶ
そこに落ちていくのを
ただ見ていた
背中を押した君が
笑っていたのは、別の彼方の……




