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白銀少女戦記 〜Free-for-all〜  作者: 結城斎太郎
†フェアリー・ディファレント†
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『16』 練習 ~実戦に備えて~

「じゃあ、次は………俺と手合わせするぞ」


「て、手合わせ?」


「俺と1対1で戦うんだよ。もしかしたら、実際に戦ったら分かることもあるだろうしな」


「え………えぇ…………」


「露骨に嫌な顔すんなし。ペロペロす____」


「したら殺すから」



 どうやらこれから、ラークさんと戦うらしい。

 ラークさんは機嫌良さそうにしているけど、私はハッキリ言って萎えている。素人がガッツリ経験者と1対1で戦うなんて無茶振りだよ。


 見るからに手加減する気は無さそう。剣を2本、鞘を肩から下げて背中から抜くスタイルで、アニメで見たことある感じのものだ。

 そこから、まるで私のことを脅すかのように背中から剣を抜いて思い切り振り下ろした。剣を振り下ろしたときの風圧が、十数メートル離れていた私にまで届いた。


 怖い、すこぶる怖いんですけど。


 ユーリさんも盛り上がっていて、私のことを心配する気なんてさらさら無いみたい。

 人生で初めて剣(しかも2本)を持ってから30分も経っていない女の子を半殺しにする気なんでしょうか?



「アヤヒ、心の準備は出来たか?お前が初心者だろうが、俺は容赦はしねぇぞ」


「重々承知です。軽い怪我くらいですむようにしてください」


「善処します。死なない程度の重傷に」


(駄目だ。この人、本当に駄目だよ。軽い怪我って言ってるのに、何で重傷にさせようとするの?私の言葉、伝わっていないのかな?)



 ラークさんは私に怪我させたいようで。小学生なんだよ?小学生の女の子相手を大怪我させて何が面白いの?ただの人でなしだよ?

 何を言っても聞いてくれそうにもないってところで最悪以外の何物でも無い。


 笑いながら剣を両手に構えて私の方に向かってくるラークさん。その異様なオーラに、私の体は震えている。流石に泣くってところまでにはならないけどね。


 私に近付いて、ある程度の距離で止まると、いつの間にか私の

右肩辺りがズッパリ斬れていた。いきなりのことで、全く動けなかった。


 こ、これって…………死ぬんじゃないのかな?



「……………………ッ!?うぐっ……!!あがっ……!!はぁ……はぁ……!!」


(ヤバいっ……!!本当に死ぬって………!!肩がぁ………!!さっきの………痛みがくるまでの時間差は……何だったのかな………)



 斬られた瞬間は痛みを感じなかったのに、少し時間が開いて油断したところに、今まで経験したことのない激痛が肩を襲った。痛みのあまりに、持っていた剣を手放した。


 斬られた肩からは、血が大量に溢れ出していた。右肩をおさえていた左手は真っ赤に染まる。手加減しないってレベルの攻撃じゃないよ…………死んじゃうから………本当に………死んじゃうから………異世界来て初日で死にたくないよ。


 死にたくない………嫌だ………死にたくない………


 死にたくない……死にたくない………嫌…………嫌………嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌………!!!!



「嫌だ……嫌嫌嫌嫌………!!!!」




 ____シュゥゥ………パキパキッ………!!____




「おっ………?何か変なスイッチ入れちまったのか?」


「み、みたいだな?いきなり殺す気満々の攻撃を仕掛けるからだよ。スキルが暴走しかかってんな」


「やらなきゃ…………やられる…………そうだ。簡単なことだよね………?」


「やばいっす。ちょっと変わってくれね?」


「そんなの自己責任だよ。頑張りたまえとしか言えません、はい」


「ですよね………はぁ………調子に乗りすぎたと心底後悔してます………」

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