『14』 練習 ~武器~ 【Ⅱ】
2人が私に使わせる武器を選ぶこと10分くらいが経った。私は、近くにあったベンチに座って渡してくれるのを待っていた。少しばかり暇していたので、近くを飛んでいる鳥と遊んでいた。
右手の人差し指に鳥を止まらせて眺めていると、2人が私のことを大声で呼んできた。その声に私と鳥はビックリした。思わずベンチから頭から落ちる。
はぁ~、首が痛い。首をおさえながらベンチから立ち上がって何とか2人の方を見る。
鳥は何処かに飛んでいったのかと思ったら、また私のところに戻ってきて左肩に乗って体を膨らませていた。可愛いけど、どうやって膨らませてるんだろ?何だか不思議な鳥だね。
「はぁぁぁい!!決まったっ…………ぞい!!俺達2人が集めた剣の中でもお前に絶対に合う素晴らしい刀を見つけたぞ!!…………ふぅ~、んじゃアヤテト、まずは俺から渡すな?」
「何か温度差凄いね。……って、何なの?この剣。何て言うかさぁ………不気味なんだけど」
「この剣の名前は『アイアン・メイデン』。とある場所の拷問器具を使っているという、人の怨念入りまくりの絶品だぜ?」
(…………………言葉の意味が分かりません)
”おんねん”って何?何かの技の名前?
”ごうもん”は、言葉自体は何かのアニメか何かで聞いたことあるような気がするけど、意味までは分からないかな?
一応、受け取ってみる。そして、鞘から引き抜いてみた。おっ?うっ?うえっ?うん、思ったより軽いね。
後、持つところと斬れるところを分ける部分のところの、ひび割れた女の人の顔があるのは気持ち悪いなぁって思った。
これ近くに置いて寝たら、夢に出てきそうだな。この女の人の顔が目の前でフワフワと何個も浮かんでいる悪夢………うぅん、想像するのも止めよう。
夜、寝れなくなりそう。私はユーリさんから渡された『あいあん・めいでん』という剣を眺めていた。斬れ味は良さそう。鉄でも普通にスッパリいけそうな見た目。
「使いやすそうだけど、不気味なんだよなぁ………」
(どうしよう………もう1本の剣もこんな感じだったら。まるで、私が病んでるみたいじゃん。すごい疲れてるけど病むほどじゃないよ)
剣を眺めていると、今度はラークさんが剣を渡してきた。『あいあん・めいでん』が銀色近い色をした剣だったけど、ラークさんが渡してきたのは、全部が真っ黒に染まった剣。
ラークさんが言った剣の名前は『ぺいん・ばるきゅりあ』っての名前らしい。また、色々と刀の名前とかを言われたけど、内容難しくて入ってきませんでした。
説明するときは、私でも分かるようにしてほしいよ。小学生に難しい言葉を並べられても分からないんだから。
でも、この『ぺいん・ばるきゅりあ』って本当に不気味なものだ。ユーリさんが渡してくれた物よりも不気味。
えぇ………ちょっと嫌。ちょっとどころじゃなくて、他の別な剣に変えたいくらいに嫌だ。
でも、何となくどっちも使いやすそうなんだよね。持ったら分かるって言うのかな?
これで、私の専用の武器が手に入った。
後は使い方。ラークさんが教える気満々だから、ラークさんの動きとかを真似していけば何とかなるのかな?そう簡単にいきそうにも無いと思うけど。