ぷろろーぐ
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「うぅ………へっくち!!夏なのに風邪でも引いちゃったのかな?夏休みは体調崩さないで、いっぱいあそびたいんだけどなぁ~?」
あっ、最初に自己紹介をさせてもらっても良いかな?
へへっ、私の名前は沢城彩陽。今年の12月に12歳になる小学6年生です。生粋の日本人なんだけど、髪の毛の色が白くて蒼い瞳をしている、ちょっと珍しい感じの体質なんだよね。
今は、コンビニで公共料金の支払いを終えてアパートに帰るところなんです。えっと、何で小学生の私が公共料金の支払いなんてしているのか?という点が疑問に思ったってことで良いのかな。
それじゃ、その説明を今からするね。私は、このあまりに日本人離れをした容姿のせいで、重度の宗教信者であった親からは『悪魔の子』と罵られ、家を追い出されちゃったんだ。
その後は色々な施設を散々にたらい回しにされた後、国からの指示で、国営のアパートに一人暮らしをすることになって、今に至るってところかな?
一人暮らしを始めたのは小学4年生の時。
歩んできた人生の影響で、精神年齢だけが大人になって、一人暮らしをする能力が備わっているということで、特例で暮らさせてもらっているという感じかな?
生活のお金も国から十分に貰っていて困ったことはない。学校にも普通に通えているし、信頼できる友達も何人か居る。私的は、特に当たり障りのない生活を送れていると思うな。
____ピロリロリン♪ピロリロリン♪____
「あっ、友達から電話だ。たぶん、遊びのお誘いか何かかな?…………もしもし?彩陽だよ~」
《彩陽ちゃん、今から家行っても良い?一緒に遊ぼうよ!》
「うん、いいよ。少し出掛けてたけど、すぐに家に向かうから先行ってて待っててね」
《ありがと~、もう着いたから待ってるね~?》
「あっ………うん、わかった」
(行動が早いなぁ~、ちょっとホラーの要素があったような気がして戸惑っちゃったよ)
私は部屋の玄関の前で待っている友達のところに急いで向かった。こんな暑い中、外で待たせるわけにもいかないしね。