論文は面白い読み物です
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論文を読もうよ!
なんていきなり言っても、多くの人は「論文」に対して、「難しそう」とか「堅苦しい」とか「面白くない」という印象を持っていて、なかなか食指が動かないのではないでしょうか。
でも、世の中には様々な研究があって、論文の内容も多種多様なのです。読むのに専門的な知識が必要な物もあれば、私達の身近な題材で書かれた物もあります。
普段の生活で何か気になること、疑問に思うことがあった時、インターネットで検索したりしますよね。そんな時に論文を読むことも、選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか。
とはいえ、何かに興味を持ったとして、どうやって論文を探して、どこでその論文を入手すればいいのかという問題があります。
専門書は売っている場所が少なかったり高額だったりします。図書館に行くのも面倒です。もっと気軽に読みたいですよね。
そこで利用するのがインターネットです。なんだ、ググるのなんてみんなやってるよ、と思われた方、ちょっとお待ちください。Google Scholar(http://scholar.google.co.jp/)はご存知でしょうか?
Google Scholarはその名の通り、学術的な情報だけを検索できるGoogleのサービスです。何か文字列を入力して検索すれば、それに関する論文や書籍の情報が出てきます。
もう一つはCiNii(http://ci.nii.ac.jp/)です。こちらは日本の論文や大学図書館の本などを探すのに特化した検索サービスです。私はこちらの方が使いやすいので、よく利用しています。
CiNiiの良い点は、「CiNiiに本文あり・連携サービスへのリンクあり」で検索すると、インターネット上で閲覧することが出来る論文だけが抽出されるところです。有料の物もありますが、オープンアクセスや機関リポジトリの物はだいたい誰でも無料で読むことが出来ます。
図書館や書店に行く前に、今すぐ調べたくなった場合に便利なツールです。ネットで閲覧できる論文は短い物が多いので、それも気軽に読める良いところだと思います。
方法はわかった。でもやっぱり論文なんて小難しそうで読む気が起きない、という方もいらっしゃるかもしれません。そこで、私が最近読んで面白かった論文を三つ挙げてみます。内容が気になった方は是非本文を読んでみてください。
「ライトノベルの人物描写に着目した定量的な解析」(2013)北原央樹、中山伸一、真栄城哲也
(http://ci.nii.ac.jp/naid/170000092328)
(CiNiiで文字列:ライトノベル、CiNiiに本文あり・連携サービスへのリンクありで検索)
この論文は、同作者のライトノベルと非ライトノベルを比較して分析しているのですが、分析の結果、ライトノベルの方が「物語の早い段階で登場人物の属性を記述」しているという部分が興味深いです。また、同作者での比較でこの結果が得られるということから、プロの作家はライトノベルと非ライトノベルで書き方を変えているということもわかります。
「実証分析による炎上の実態と炎上加担者属性の検証」(2015)山口真一
(http://ci.nii.ac.jp/naid/130005117043)
(CiNiiで文字列:炎上、CiNiiに本文あり・連携サービスへのリンクありで検索)
炎上加担者は子供と同居していて、個人年収や世帯年収が非炎上加担者より高いとか。私は炎上に加担したことはありません。
「原義とは異なる意味で使われる「誤用」例についての考察」(2016)中山英晋
(http://ci.nii.ac.jp/naid/110010051022)
(CiNiiで文字列:日本語 誤用、CiNiiに本文あり・連携サービスへのリンクありで検索)
「小説家になろう」で日本語の「誤用」に関するエッセイを読んで、気になって調べました。
私も論文中の「たとえ「間違い」であったとしても、すでに幅広い世代や地域で使用されているのなら、そのことばはすでに存在しているものとみなして、存在理由を追求し明らかにするほうが大切であろう。」という考えに同意見で、辞書に載っていない用法は間違いだから使ってはいけない、と「誤用」を切り捨てる態度には否定的です。
最後に、これらの検索ツールは最近の大学生などは当たり前のように使っていて、何を今さら、という内容だったかもしれません。
ただ私が言いたいのは、卒業論文や研究に関係なく、完全に趣味や興味で読む論文はすごく面白い! ということです。読書が好きだという方は、おそらく知的好奇心が強いのだと思います。面白い読み物として、軽くエッセイを読むような気持ちで論文に触れてみてはいかがでしょうか。