【ソーセージ mari & mari】 〜♯5 ごみたまり 恋愛相談 by タブレット
【ごみたまり 恋愛相談 by タブレット】
「みずた、あなた男の好み厳しすぎよ!
もっとじっくり付き合えないの?」
みずたまりとごみたまりは珍しく喫茶店で一緒だった。
女2人集まれば自ずと男の話になるようだ。
「だって我慢できないんだもん、あのコ。
なんていうのかな、もっとこう見た目が、その‥‥‥、
顔つきがこう、服のセンスなんかがこう‥‥‥、
ね、わかるでしょ!」
全然わかんない。
「じゃあいいわ、あたしがみずたに理想の男像を作ってあげるわ」
ごみたまりはタブレットを取り出すと、いろんなタイプの男性の
写真が数十枚ダダダ、と開かれた。
その一枚一枚を吟味すると、ペンで赤丸をつけていった。
「前髪はこの人ね。アゴはこっちかな。
この人のシャツのセンスはみずた好みね。
ああ、みずたならこの腕に抱かれたいって思うわね〜」
「なにしてるの?」
「 いい、あなたの好みを全部取り入れてこれをひとつにまとめるわ。
すると、どうなると思う?
ゼッタイに嫌いにならないあなたの理想の相手が登場よ♡ わお」
あほくさ、とつぶやきながらもみずたはコーヒーでドキドキを飲み流した。
「できた、完成。わお、これはすごい!」
「へえ、どれどれ」
「じゃーん、これがあなたの理想の相手よ♡」
みずたはタブレットに合成された写真をひょいと覗き見た。
だが、次の瞬間、みずたの目は点になった。
「つか、これオンナじゃん! しかも黒木メイサ似」
男運の無いみずたであった。