第2話 スバルの優しさ
帝国暦478年 10/4
ウルフ改の追撃は2発の通常弾でなんとか振り切る事ができた。ただ今のままの艦の性能ではそう長くは逃げ切れ無いように思える。早急に何とかする必要がある。
また、スバルの馬鹿が艦に子犬なんかを連れこんでおり、食糧の減りが予定より大分早く艦の事も含め近い内に何処かの星に行かなければならないだろう。
ジルバ
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「こんなもんかな」 ジルバはそう言って伸びをする。
「ジルバ、何してんの?」
風呂上がりなのかスバルが髪を拭きながら部屋へと入って来る。
「航海日記をつけてるのよ」
「ふーんどれどれ」
スバルはそう言って日記に手を伸ばす。
「あっ、馬鹿。何すんのよ」
「いーじゃんいーじゃん」
ジルバの制止も聞かずにスバルは日記を開いた。
「……ねぇジルバ。馬鹿スバルはちょっと酷くない?」
「あんたが相談も無しに勝手に犬なんかを連れ込むからでしょ」
「だってジルバ、聞いたら絶対に反対したよ」
「当たり前じゃないただでさえギリギリなのよ。この頃はしつこく付きまとってくる奴もいるから弾薬も燃料も無くなるの早いし」
「だからってあのままにしてたら可哀想だったんだも」
時間は2ヶ月前……
スバルは補給のために寄った星で街角で震えていた子犬を見つけた。スバルにはどうしても放っておく事が出来ずにジルバに内緒で艦に連れ込み飼っていたが食糧の減りが早い事に気が付いたジルバに見付かり、説教を受け、今に至る。
「とにかく、次の星に着いたらその犬は誰かにあげるか捨てるかをしなさい、じゃないとアンタのご飯を犬にあげるわよ」
「……犬じゃなくてレイだよ」
スバルが小声で犬の名前を主張するがジルバを無視して凄い目でスバルを睨む。
「……わかったよ」
スバルは半分涙目になりながら頷くのだった。
スバル
16歳
身長 ジルバより少し高い位
髪と目は黒
髪は短め
活発で優しい性格だが後の事を考えずに行動することも度々ある。
作中ではまだ出てきてないが実は格闘の達人でミスターサ○ンよりは強い( ̄○ ̄;)