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天を巡る物語  作者: 竜樹
2/8

第1話 ジルバとスバル

キャラクターの解説を後書きでします。

 宇宙の闇を二条の光が赤い宇宙船をかすめて行った。

 「スバル!!もっとスピード上げて!!追い付かれる」 


オレンジ色の髪の少女が黒髪の少女に叫んだ。

 彼女達の乗る赤い宇宙船、ジャッカルの後ろを白い二隻の船を追い掛けている。その距離は少しづつではあるが確かに縮まってきている。


「無理だよ!!旧世代のこの船が最新型のウルフ改にスピードで勝てるわけないよ」 


黒髪の少女、スバルが叫びがえす。

 「何とかしなさいよ。それがアンタの役目でしょ」


 「そんな〜」


 半泣きしながらもスバルは必死に舵を操る。が無情にもウルフ改は段々と距離を詰めて来ていてそれに連れて射線も的確になっていく。そして遂にウルフ改の攻撃がジャッカルにかする。

 「ったく、しょうがないわね」


 オレンジ色の髪の少女は頭を掻きながら額にのっかているゴーグルを着けて砲手席に移動する。


「スバル!!20秒後に90度回頭」


 右手にトリガーを持ってオレンジの少女がスバルに指示を出す。 「了解!!」

 スバルは短く答えて舵を握り直す。


 「さ〜行くわよ。カウントダウン開始。10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、ファイアー」 オレンジ色の髪の少女がトリガーを引いた瞬間2条の光が右に回頭したジャッカルの右舷から飛び出し追い掛けて来るウルフ改に直撃した。


 「ジルバ〜、最初からそれをやってよ」


 二隻のウルフ改はその場所から動けず去って行く赤い宇宙船を見送った。オレンジ色の髪の少女、ジルバがビームを当てたのはウルフ改のエンジン部、これでは最新型の宇宙船もどうする事もできない。


「エネルギーがもったいないでしょ。今、経済的にピンチなんだから」 


ジルバはゴーグルを外し席を立つ。

「どこに行くの?」 

「シャワー浴びてくる。警戒ヨロシク」

 そう言ってジルバはドアから出ていった。 

「まったくもー」

 スバルは一度 扉に目を向けため息を付き。辺りを探るべくレーダーを見つめた。

赤い船体は優雅に天を駆けていく。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


ジルバ達が移動して数時間後、

白銀の巨大戦艦がジルバ達とウルフ改が戦闘をおこなっていた地点に到着した。


「何だと!!また逃がしただと」


軍服を着た中年の男が怒鳴った。怒鳴られた方の男は完全に縮こまってしまっている。

まぁ頭を角刈りにしていて、中々に良い体付きをしている男が机を叩き怒鳴り声を上げているのだ萎縮してしまってもおかしくはないだろう。


「も、申し訳ありません。まさかあそこまで精密な射撃が可能とは……」


「黙れ!!言い訳など聞きたくないわ。

新型のウルフ改まで与えてやったのにふがいない。

おい」


男は後ろに控えていた男達を呼ぶと言った。

「この役立たずを連れていけ。もう二度と儂の目の前に出すな。いいな」


「なっ待ってください。提督。ヴァールてーとくー」

引きずられて行く男は悲痛な叫び声を残して連れていかれた。


男、ヴァールは蓄えられた顎髭を擦りながら顔をしかめ1枚の写真を取り出した。


「おのれ、赤猫め」


ヴァールの手の中の写真にはジルバとスバルの赤いジャッカルの船体が写し出されていた。

ジルバ(女)16歳位

髪、目・オレンジ

身長・170cm


ゴーグルがポイントの二人組の海賊の片割れ。射撃に関しての腕たしか。

普段は冷静だがキレると手に終えなくなる。

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