研究室-1
初投稿です。
前前から練っていた構想で、若干見切り発車気味に書き出しました。
長編は書いたことが無いので心配ですが、楽しんで頂けるよう頑張ります。
更新は不定期になると思われますが、ちらちら覗いて頂ければ幸いです。
◆◆◆研究室-1◆◆◆
偉大な発見には、覚悟が伴う。
いつの時代も、出る杭にとって最も必要なのは、打たれる覚悟なのだ。
また、打たれる前に引っ込むにしても、別の苦痛がつきものであろう。
ニュートンが見つけた万有引力、コペルニクスが暴いた地動の理。
全く新しい真理を突きつけられたとき、またその真理が長年の経験や知識の集積に著しく反するとき、我々人間はそれまで当然のごとくそこにあった大地ががらがらと音を立てて崩れ、宇宙空間に放り出されてしまうような不安定を覚える。
保身のために、危険因子たる真理はまず、徹底的に弾糾され、排除される。
そうでなくとも、知らず知らず人々を支えてきた文化や歴史といった民族的・社会的アイデンティティは脆くも崩れ、信じるべきものを見失った彼らを虚無感が取り巻く。
まして唯一神が創造した宇宙の中心たる地球が、コペルニクスの手によって動かされようとしたとき、まさに「地面が動く」恐怖たるや、計り知れないものであったに違いない。
そして今日、再度人々を揺るがしかねない真理がまた一つ、文字通り、掘り起こされたのだ。