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よお、  作者: にこぴ
5/5

ありがとう

 よお、いつも負担かけさせちまって悪いな。


 俺が死んでからもう5年か、早いもんだな。あのとき1才と3才だった子どもたちが今じゃ6才と8才で来年には2人とも小学生になるなんて、隣で見たかったと思うよ。ほんとにごめんな、小さな子ども2人と新築でローンが残った家だけ残して先に()っちまってよ、それなのに財産はほとんど残してやれなかった。


 お前には生きてる間も、死んでからも苦労させっぱなしだな。初めて会ったのが14年前で、結婚したのが9年前。結婚してから俺は家族のためにって免罪符(めんざいふ)にして仕事ばっかでさ、家事や子どものことは全部お前に任せっきりにしてたな。それでもお前は文句ひとつ言わずにやってくれて、本当はため込んで言えなかっただけだったのかもしれない。でも俺はそんなこと考えずに何も言わないからそれでいいと思ってたんだ。


 俺が死んでからはお前が1人で働いてローンを返しながら子ども2人を育てるのはさすがに厳しいって言って、家も車も売って団地に引っ越して、俺が死ななければって何度思ったことか。そんなこと死んでから思ったっても遅いっていうのに、本当に俺は自分勝手だよな。


 ほんと苦労ばっかかけてきたけど、家族を大切に思う気持ちに嘘はないから、それだけは言っておく。お前たちが幸せでいられるようにずっと見てるから、ずっと幸せでいてくれ。これも自分勝手な願いだけど本心だから。


 じゃあな。

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