第6話
数日後。
座学の授業が続いていたが、この日の午後ついに剣の実技授業の時間がやってきた。
「私が剣の授業を担当する橘ソウジだ。君達にはこの国の騎士団流の剣術を学んでもらう。これまでなにかしらの理由で違う剣術を学んだ者もいるだろう。だが、授業中に限ってはそれを忘れてくれたまえ」
先生の言葉を聞いて一部の生徒がザワザワと騒ぐ。
どうやらなにかしらの剣術を学んできた者達らしい。
その中の一人が手を挙げる。
「質問していいでしょうか?」
「もちろん、なにかな?」
「すでに剣術を学んでいる者にとっては授業中のみとはいえ忘れろというのは少々酷い話のように思えるのですが、どのような理由があってそのように言われるのでしょうか?」
「ほう、それは君が学んでいる剣術に対して強いこだわり、いや誇りを持っているように聞こえるな。それは良いことだ、お師匠さんも鼻が高いな」
「誤魔化してないで教えてください」
「ない。と言いたいところだが、しかたない。一般には公表されていない事があってな、騎士を志す若者達には教える義務があるんだよ。ちなみに詳細については私も知らないから問い詰められても答えられんぞ」
と言って橘は笑う。
そして授業が始まったのだが、それからまもなくして授業が一時中断する。
その理由は全員の目がシュウトの方を向いて集中出来なくなっていたからだ。
全員に見つめられてシュウトも思わず後ずさりをする。
「な・・なに?」
「いやだって、一人だけ動きがおかしいんだもん」
という生徒の疑問に答えるかのように
「そうか、君が青葉君か。左利きでありながら騎士を目指す事にしたという者は」
と橘が言う。
その説明に「左利きだって」「どうりで」「左利きの騎士なんているのか」など、色んな声が聞こえる。
橘からシュウトへの激励の言葉があった事で騒ぎは収まり授業が再開される。
その日の授業がすべて終わり、帰宅の準備をしていると一組の男女がシュウトに近づいてきた。
「青葉君、ちょっといいかな?」
「いいけど、なに?」
「僕達の友達に左利きのやつがいるんだけどさ、そいつ『左利きだから』ってゆう理由で騎士になるのを諦めたんだよ」
「それで・・その・・」
なにが言いたいのだろうか、どっちが言うか互いに相手に言ってほしいように見える。
「貴族の青葉君に平民の私達が言うのも変かもしれないけど『頑張って』と言いたくて」
と女性の方が顔を真赤にしながら言ってきた。
その様を見てシュウトはクスッと笑う。
「全然、変じゃないよ。ありがとう」
と言うと二人は互いを見て笑った。
「そうだ。せっかくの機会だし、友達になろうよ」
とシュウトが言うと「いいの?」と返事が返ってきたので
「もちろん。だって僕達クラスメートじゃん」と答えた。
そして「じゃあ」と改めて「藤宮マサヤ」「木崎ワカバ」「青葉シュウト」と名乗り合って握手を交わすのだった。
エピローグ
課外授業で実際に魔獣を討伐する為、森へとやってきた儀組一行。
「四人一組で行動するように」という指示があり、シュウトは紺野アキラ、藤宮マサヤ、木崎ワカバと組んだ。
四人とも「自分こそが」と前に前にと出る性格ではなかったからか、いい感じに強力し合い課題をこなす事が出来た。
これを気に四人でチームを組む事を決め、共に行動していくのだった。
完
本作を読んでいただきありがとうございます。
初挑戦の作品で、つたない部分もあったかもしれませんが、楽しんでいただけたなら幸いです。
来年(2026年)はこの作品を基調とした連載作品に挑戦したいと考えています。
投稿開始が何ヶ月先になるかわかりませんが、その時はよろしくお願いいたします。




