第4話
飲食スペースに着くと何人かの騎士がおり談笑している。
その中の一人が近づいてくる。
「よう、青葉。今日は弟くんが来ると言っていたが、その子がそうなのか?」
「おう、紺野。そうだよ、弟のシュウトだ。シュウト、彼は俺の同僚で紺野だ」
「紺野シンジだ。よろしく」
「よろしくお願いします」
紺野が握手を求めてきたのでそれに答える。
「で、弟くんは魔力の移動は無事に出来たのかな?」
「いや、残念ながら出来なかったよ。養成学校の入学までまだ間があるから、それまでに出来たらだいぶ違うんだけどな」
「そうか。ま、頑張れ」
「あの、それなんですが」
「「?」」
「さきほど紺野さんと握手をしてからなにかを感じていて・・・兄上、もう一度演習場に行かせてもらえませんか」
「それはかまわないけど・・紺野、お前なにかしたか?」
「いやいや、握手しただけだろ。青葉も見てたろ」
そう二人はただ握手をしただけなのだ。
であるにも関わらずいったいなにがあるというのか。
シュウトの様子が気になった紺野も一緒に演習場に戻ってきた。
「ではもう一度、魔力の移動に挑戦してみます」
そう言って五分もしないうちに
「やりました、出来ました。これで僕も魔力を使えるんですよね」
と喜びの声をあげたのだった。
「確かにそうなんだけど・・」
ハルカは「さっきはあんなに苦労してたのに」と。
紺野もまた「さっきは全然駄目だったって言ってたよな」と、あっけにとられるのだった。
それじゃあ飲食スペースで紅茶でも飲もうという事になり再び戻ってきた。
「なにはともあれ魔力を使えるようになってよかったね」
「ありがとうございます」
「まったく不思議な事もあるもんだ。俺と握手したあとなにを感じたんだい?」
「それは自分の魔力を感じた時と同じようなぬくもりを右手から感じるようになったんです。演習場でこの二つのぬくもりを一つにする事をイメージした結果、移動出来ました」
「二つのぬくもりだって?」
「はい。でも二つのぬくもりが一つになって魔力量が増えた、なんてことは無いようですが」
「そ・・そうか」
ぬくもりによる導きとはまた不思議な事も起きたものである。
それは一体なんだったのだろうか。




