放課後と夕日
作品の印象が少し変わるかも...?
私たちはあの後、近くの公園を歩いている。
「いやー気持ちいいね!空気が美味しい気がするわ!」
「そうなの?いつも通ってる場所だからよくわからないな。」
「なるも...そう思えるくらいここを通ることになるのかな?」
「そうだといいね。」
「あっ!そこ座ってて!」
「え?」
なるが差した先には2つ並んだブランコがある。なんでブランコ...?とりあえず私はブランコに座って軽く揺らす。慌てて駆けてくなるをみて、笑みが漏れる。
ふと前を見ると、桜の木が緑に移り変わっている。
桜は、もう終わっちゃったな。なんだか春が去ろうとしている気がする。そして夏が近づく。あの子との思い出もまた、近づいてくる。
「ゆうちゃーん!ごめんね。待たせちゃったよね。」
なるは急いで来たのだろうか。息を切らしている。
「そんなに待ってないよ。」
「じゃーん!アイス買ってきたの!はい!」
なるは私にチョコミントとストロベリーのアイスが入ったカップを渡してくる。
「ありがとう。なかなか珍しい組み合わせだね。」
「好きじゃなかった?」
「いや、1番好きな組み合わせ。しかもカップ。」
するとなるが少し暗い顔をして口を開く。
「実は、昔それが好きだった友達がいたんだ。今はもう別れちゃったんだけど。」
「そっか。」
「私の1番大切な思い出。」
「そうなんだ。」
私は食べ終わったアイスのカップを膝に置く。
「私、ゴミ投げてくるね。」
「え?」
言い返す間もなくなるは走っていってしまう。その後ろ姿にあの子との思い出を重なる。
心臓がうるさい。なにを考えてるの?なるとあの子は違う。そうでしょ?そうじゃなきゃ...
「ゆうちゃん。帰ろ?」
いつの間にか前に立っていたなるが手を差し出してくる。
いつの間に少し落ちた夕日に照らされた明かるい髪。そして優しく微笑む顔。私がその手を掴まない選択肢はなかった。
お読みいただきありがとうございます。
実はこういう話好き。
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初心者なのでわからないことだらけですが暖かい目でみていただけると嬉しいです。