夏休みと海
「ふぁーぁ。」
眠い。いつもはそんなことないんだけど。お昼食べた後だからかな。
「ゆうちゃん寝不足?」
なるに話しかけられて、落ちかけていた意識が引っ張り出される。
「うーん、寝たんだけどなぁ。」
そう言っている間にもまぶたは落ちてくる。
「そっかー。」
「帰ったら寝る。」
「ふふ、そういう意味ではこの後授業なくてよかったね。」
「ほんとにね。」
「それより!明日から夏休みだよ!」
「そうだね。」
なるの子どもみたいなはしゃぎ方に頬がほころぶ。
「海にスイカに虫とり!プールだっていいねぇ!」
「うんうん。」
小学生みたいでかわいい。
「ゆうちゃんはどっかいくの?」
「うーん、行かないんじゃないかなぁ。」
「じゃあじゃあ!夏休みいっぱい遊ぼ!」
「うん!」
今まで夏休みに特別なことをしてきたわけじゃないからテンションが上がってきた。
「ゆうちゃん、早速海、行かない?」
「えっ水着とか持ってきてないよ!?」
「私も持ってきてないよ。ちょっと砂浜でぴちゃぴちゃしたいなぁって!」
「いいね。」
「あっこの後寝る予定なんだっけ!」
そういえばそうだった。
「眠気覚めちゃったから大丈夫。」
「じゃあ決まり!」
ニコニコと笑ったまま、目の前に立つなるの体は待ち遠しさからか、ゆらゆらと揺れている。時計を見れば、そろそろ時間だ。この感じだと多分気づいてないな。
「ちなみに、もうホームルームの時間だよ。」
「あっ!やばっ!」
なるは慌てて席に戻る。隣だけど。
「うみっうみっうみがめさんともなかよしーっ」
「なんの歌?」
「今作ったうたっ!」
なるは作曲センスもあったらしい。
「そっかぁ。」
「うんっ!」
さっきまで宿題の量に絶望してたとは思えないほど目に見えてご機嫌だ。
「あっ見えたー!」
遠くに砂浜が見える。
「意外と遠いね。」
「港町なのにねー。」
「学校が山側すぎるのかな?」
「確かに。」
そうやって話してる間に砂浜の前に着く。
「靴の中がジャリジャリになる覚悟はできましたか?」
「う、うん。」
さっきまで歌ってたとは思えないほどびびっている。
「そんなに怖がらなくても大丈夫だよ。」
人はいないが、ちゃんと海開きしてるとこだし、泳ぐわけでもないしね。
「せーので行こ?せーので。」
「分かった。」
こんなにも怖がっているけど、砂浜の境目ってそんなはっきりしてるわけじゃないから見方によってはもう砂浜に入ってるんだよね。
「ゆうちゃん、行くよ?」
「うん。」
「「せーのっ」」
お読みいただきありがとうございます。
海は保育園以来行ってないです。
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次回もお楽しみに。




